1990 Fiscal Year Annual Research Report
新しい試験管内培養による組織寄生線虫症の化学療法に関する生理生化学的研究
Project/Area Number |
63570183
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
牧 純 北里大学, 医学部, 講師 (60050697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 進 東京大学, 医学部, 教務職員 (80114453)
|
Keywords | 広東住血線虫 / 旋毛虫 / Dipetalonema viteae / in vitro / 化学療法 |
Research Abstract |
Dipetalonema viteae については試験管内に於ける薬物の影響を明らかにするためのin vitro実験系の検討のデ-タが得られている。スナネズミより採取したD.viteae♀成虫をNRmedium(NCTC135とRPMI1640の1:1のmixture)中で気相を90%N_2ー10%CO_2として維持観察したところ35日間メジウムの交換がなくても活発な運動性を呈することが確認された。MilbemycinD(終末濃度1%)を添加すると♀成虫の運動性の低下が時間を追って認められた。インキュベ-ト開始後45分で虫体は若干回旋状となり、開始後3.5時間で回旋状態が著明となり、26時間後、極めて運動性が緩慢となり、開始42時間後には運動性が全くみられなくなった。このin vitro系は薬剤のスクリ-ニングに適していると考えられるが、フルベンダゾ-ルは難溶性故か或いは効果が本当にないのか、ポジティブな結果が得られていない。旋毛虫に関しては以下のデ-タが得られている。旋毛虫をマウスに感染後5週間を経てフルベンダゾ-ルヌはメベンダゾ-ルを経口投与した(10my/kg/日の3日連続投与)。1%Tween80のみ投与の対照群と3週間後に比較・剖検した。以前の結果では両薬物間に効果の差がなかったが、今度の確認ではメベンダゾ-ルにより高い駆虫効果のあることが判明した(6回の繰返し実験)。試験管内に於ける両薬物間の効果の差の有無については検討中である。広東住血線虫については以前のデ-タを再確認し、論文にまとめることが出来た。本虫をラットに感染後3日、10日又は2ケ月を経てフルベンダゾ-ルを10mg/kg(最高3回)投与した。感染3日後の投薬では完全駆虫がみられ、感染10日後の投薬では駆虫効果はみられないが虫体の発育が阻害されること,感染2ケ月後の投薬では駆虫効果なく、成虫の重量に対する影響も小さいが体壁性のフォスファタ-ゼ活性並びに産卵・産仔数が抑えられることを生理生化学形態学的検討,in vitro 実験等で確認した。
|
-
[Publications] Maki,J.: "Reduction in larval output from rats infected with Angiostrongylーus cantonensis and treated with flubendazole at subcurative dose" Chinese Journal of Parasitology.
-
[Publications] Maki,J.,Yanagisawa,T.,Tongu,Y.& Ishii,A.: "Alterations in acid phosphatase activity,body weight and ultrastructure of adult Angiostongylus cantonensis in rats treated with flubendazole at a subcurative dose" Japanese Journal of Parasitology.