1989 Fiscal Year Annual Research Report
ラクトバシラス属菌表層の規則的配列構造蛋白質の性状と機能および細胞壁の構築
Project/Area Number |
63570195
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Research Institution | TOKUSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古賀 哲郎 徳島大学, 医学部, 助手 (20093859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 正幸 徳島大学, 医学部, 助手 (90210492)
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Keywords | ラクトバシラス属 / 規則的配列構造 / gene library / 免疫スクリ-ニング |
Research Abstract |
1.Lactobacillus acidophilusは生化学的、生物学的性状が不均質な菌株の集団よりなっておりその分類は非常に混乱している。我々は従来行われているDNA相同性に基く分類の他に規則的配列構造(RA)蛋白の性状がこの菌株の分類に利用できる可能性を示した。すなわちRAを産生するのはDNA相同性で分類されたA群の菌のみであり、他の菌群はRAを産生しない。またA-1亜群のRA蛋白の分子量、ペプチドマップはすべての菌株で同じであり、また免疫学的にも高い均質性を示した。しかし、A-2、A-3、A-4亜群のRA蛋白の分子量、ペプチドマップは異質性を示した。A-2亜群RAは免疫学的にかなり均質であるが、A-3亜群RA蛋白は免疫学的に不均質であり、またA-4亜群RA蛋白抗体はA-3亜群の1株と交差反応を示すなどA-3、A-4亜群菌株はRA蛋白の性状によってさらに細かく分類する必要があることがわかった。 2.L.brevis ATCC8287の染色体DNAをFcoRIで部分消化し、その3〜9kb断片をλgtllのEcoRI siteに挿入したのち、in vitro packagingを行ってgene libraryを得た。ウサギ抗RA蛋白抗体を用いてこのlibraryの免疫screeningを行うと2638個のプラック中16個が陽性であった。抗体反応陽性を示した10個のphage lysateをWestern blotで調べると7個のphage lysateは130kDaより大きい分子量のfusion蛋白、3個はそれよりちいさいfusion蛋白として免疫反応陽性を示した。前者phage(phage 3a)DNAには約2.4kb、後者のphage(phage 3b)DNAには約3.2kbのEcoRI断片が挿入されていた。Phage 3aDNAの2.4kb断片をpUC19のEcoRI siteに挿入し、E.coli JM109株に形質転換した。 このplasmid(pLB1)をもつ菌の音波処理液をWestern blotするとRA蛋白と同じ位置(51kDa)に抗RA蛋白抗体と反応するバンドが認められこの2.4kb断片にはRA蛋白をコ-ドする遺伝子が含まれることが示された。このpLB1のdeletion mutantを作成し、塩基配列の決定を試みている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 川田十三夫: "Lactobacillus acidophilusにおける細胞壁の規則的配列構造の分布、性状および分類学的意義" 乳酸菌研究会に関する報告書(昭和62年度). 332-335 (1988)
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[Publications] 古賀哲郎: "Lactobacillus acidophilus諸菌株の細胞壁規則的配列構造蛋白質の単離と免疫化学的性状および分類学的意義" 日本細菌学雑誌. 44. 320 (1989)
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[Publications] 川田十三夫: "Lactobacillus acidophilus諸菌株の細胞壁の規則的配列構造の免疫化学的性状と分類学的多様性" 乳酸菌研究会に関する報告書(昭和63年度). 324-328 (1989)
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[Publications] 古賀哲郎: "Lactobacillus brevis細胞壁の規則的配列構造蛋白質の遺伝子解析" 日本細菌学雑誌. 45. 452 (1990)