1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570204
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
松本 明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90027318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 建三 川崎医科大学, 医学部, 助手 (40113196)
別所 敞子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10104811)
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Keywords | クラミジアトラコマチス / プラスミド |
Research Abstract |
男子尿道炎患者4例、子宮頸管炎患者2例、新生児結膜炎患者1例から分離、経代したChlamydia trachomatis7株とC.trachomatis L_2/434/Bu(予研分与)の基本小体(EB)を精製し、常法に従って可溶化後、アガロース電気泳動法によってプラスミド分離を試みた。その結果、患者27(男、19歳、IgG1:64、IgM1:16)由来株に3.4、4.6×10^6ダルトンの2種のプラスミドを認めた。患者607(男、19歳、IgG1:256、IgMー、IgA1:4)、688(女、26歳、IgG1:512、IgMー、IgA1:32)、756(女、13日、母のIgG1:256、IgM-、IgA1:64)由来株のプラスミドは3.4×10^6ダルトン、患者491(男、31歳、IgG1:128、IgM-、IgA-、パートナーからも同一株を分離)、641(女、20歳、IgG1:256、IgM-、IgA1:8)由来株のプラスミドは3.6×10^6ダルトンであった。L_2株には患者27同様、3.6、4.6×10^6ダルトンのプラスミドを認めた。各分離株の血清型を単クローン抗体(Washington Research Foundationより購入)によるmicro IF法で調べたところ、患者27と641由来株はE株、607由来株はJ株、756由来株はJ/B株、688由来株はG株、491株はF/B/D株であった。患者524(男、45歳、IgG1:4、IgMー、IgA-)の血清型は複雑で決定できず、また十分量のEBを得られなかったためプラスミドを認め得なかった。L_2株及びプラスミド非保有TWAR株を基準として分離株のMINO、DOXY、EM、TE031、OFLXに対する感受性を検索した結果、これらの間に有意差を全く認めなかった。また分離株EBのPAGEパターンにも差を認めなかった。以上の結果はC.trachomatisが3.4または3.6×10^6ダルトンのプラスミドを有しており、その普遍性から抗原に代るマーカーとして利用できる可能性を示唆すると同時にプラスミドは少なくとも薬剤感受性、外膜蛋白組成、抗原性、増殖性に関与していないcryptic formであることを示している。分離プラスミドの制限酵素によるマッピング、塩基配列に関しては現在検索中である。
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Research Products
(1 results)