1988 Fiscal Year Annual Research Report
Salmonella choleraesuisの感染に及ぼす毒力プラスミドの影響
Project/Area Number |
63570205
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
壇原 宏文 北里研究所, 細菌部第2室, 室長 (40114558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 一芳 北里研究所, 細菌部第2室, 研究員 (20195126)
森口 良三 北里研究所, 病理部第1室, 室長 (30101299)
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Keywords | Salmonella choleraesuis / サルモネラ / 毒力プラスミド / 菌血症 |
Research Abstract |
1.Salmonella choleraesuis毒力プラスミドのマウス感染病理に及ぼす影響:S.choleraesuis親株、毒力プラスミド(50kbプラスミド)脱落株、および50kbプラスミド再導入株を各々亜致死量マウス腹腔に投与し、14日間の病理学的変化を経時的に観察した。親株と再導入株では菌投与後3日目から菌血症が引きおこされ、心血から投与菌が回収された。菌血症は14日間持続した。一方プラスミド脱落株では菌血症は認められなかった。病理組織所見においてもプラスミド保有株と脱落株では明らかな相違が見られた。特に腸間膜貼りつけ標本において見られる肉芽腫性病巣形成や血管炎がプラスミド保有株では強度認められたのに対し、脱落株ではこれらの病変が軽度でかつ一過性であった。 2.菌血症惹起能試験の開発:病理学的所見に基づき、50kbプラスミドによって引きおこされる菌血症の試験方法を開発した。即ち亜致死量の菌をマウス腹腔に投与し、3日後に心血を採取し、血中の投与菌の有無を調べた。これにより菌血症惹起能を迅速かつ簡便に判定できるようになり、以下の遺伝学的解析が可能になった。 3.50kbプラスミド上のマウス菌血症惹起能領域の特定;50kbプラスミドへのトランスポソンTn1による挿入変異株を100株分離しこれらの株のマウスに対する菌血症惹起能を調べた。その結果、19株の菌血症惹起能陰性株が得られた。これら陰性株の50kb〓Tn1プラスミドを脱落株に再導入して再度菌血症惹起能を調べたところ、9株が陰性であった。従ってこれら9株は50kbプラスミド上の菌血症惹起能領域にTn1が挿入した変異株であると考えられた。これらのプラスミド上のTn1挿入部位を調べたところ、すべて制限酵素地図上のSalIとHindIIIの切断部位に挟まれた約4.7kbの領域に局在していた。従ってこの領域をマウス菌血症惹起能領域と決定した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kawahara,;Y.Haraguchi,;M.Tsuchimoto,;N.Terakado,;H.Danbara.: Microbial Pathogenesis. 4. 155-163 (1988)
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[Publications] K.Kawahara,;T.Hamaoka,;S.Suzuki,;M.Nakamura,;S.Y.Murayama,;T.Arai,;N.Teraokado,;H.Danbara.: Microbial Pathogenesis.
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[Publications] K.Kawahara,;M.Tsuchimoto,;N.Teraokado,;H.Danbara.: Microbial Pathogenesis.