1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570218
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安保 徹 東北大学, 歯学部, 講師 (30005079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
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Keywords | NK細胞 / 肝再生 / 肝細胞 / クラスIMHC抗原 / γδT細胞 |
Research Abstract |
これまでの研究成果から、NK細胞は肝類洞に存在し、生理的な肝細胞の再生や肝部切除後におこる肝細胞の再生の調節系として働いていることを明らかにしてきた。前年度に引き続き、肝細胞の増殖の速さ、膜上のクラスIMHC抗原の量およびNK感受性との三者の関係を追求した。肝細胞はC3H/Heマウスから採取した。EGF添加によってin vitroで増殖させた肝細胞も、肝部分切除によって誘導された肝細胞もH-Thymidiveの取り込みが増加し、クラスIMHC抗原量が低下し、そしてNK感受性が増大した。 また筆者らは、0.2Mのクエン酸バッファ-、pH3で生細胞を一分間処理することにより、膜上のクラスIMHC抗原の90%以上を解離する方法を開発した。この方法で、いろいろなNKの標的細胞を処理するとクラスIMHC抗原が低下すると同時にNK感受性が上昇した。このことは増殖とは関係なく、クラスIMHCの抗原量とNK感受性が結び付いているものと考えられる。この際、NK感受性の増大は反応系にNKCF活性がより多く出される結果であることも明らかになった。 マウス肝の実験の過程で、肝単核細胞中の約25%がNK細胞であるが、約10%はγδT細胞であることを発見した。その年齢変化、マウスのstrain差、あるいは臓器分布からみて、NK細胞とγδT細胞は極めて類似した動態を示した。筆者らはこれらをNK細胞もγδT細胞の一部も、胸腺外分化という共通した過程があるためではないかと考察している。興味深いことに肝(特に類洞)に存在するγδT細胞はblasticな形態をもち、この場所で増殖している可能性がある。今後、肝のNK細胞とγδT細胞の生体内役割とその分担がどうなっているのかを追求してゆく必要を感じる。
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[Publications] Itoh,H.,Abo,T.,Sugawara,S.,Kanno,A.,Kunagai,K.: "Age-related variation in the proportion and activity of murine liver natural killer cells and their cvtotoxicity against regenerating hepatocytes." J.Immunol.141. 315-323 (1988)
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[Publications] Suaqwara,S,Abo,T.,Itho,H.,Kumagai,K.: "Analysis of mechanisms by which NK cells acquire increased cytotozicity against class I MHC-eliminated targets." Cell.Immunol.119. 304-316 (1989)
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[Publications] 菅野明弘,安保徹: "NK,LAK感受性とクラスIMHC表出の逆相関" 臨床免疫. 21. 1294-1300 (1989)
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[Publications] Seki,S.,Abo,T.,Masuda,T.,Ohteki,T.Kanno,A.,Takeda,K.: "Identification of activated TcRγδ Iymphocytes in the liver of tumor bearing hosts." J.Clin.Invest.(1990)