1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570223
|
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
阪口 薫雄 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (70192086)
|
Keywords | B細胞特異的遺伝子 / B細胞活性化 / B細胞cDNAライブラリー |
Research Abstract |
B細胞特異的に発現されている遺伝子mb-1の単離に成功し、そのcDNAの構造を明らかにした。その結果、この遺伝子の産物は210個のアミノ酸で構成される膜糖タンパクであることが推定された。推定アミノ酸配列の解析から、細胞外部分は、免疫グロブリン用のドメイン構造を有し、また、T細胞のシグナル伝達に重要な働きをしているT細胞レセプター結合タンパクT3分子との相関性も示唆された。そこで、更に、この遺伝子産物に対する抗体を研究計画に従って作成した。特異的なウサギ抗MB-1タンパク抗体(アフィニティー情製)用いてBリンホーマ、や正常活性化B細胞に於て、MB-1タンパクの存在を証明することに成功した。その結果、このmb-1タンパクは、約34KDの糖タンパクで約7KDの糖鎖を有することが、Endo F処理によって明らかとなり、また^<125>l-をラクトパーオキシデース法でラベルした細胞表面タンパクからも同様のタンパクが沈降され、cDNAから推定される構造と一致した。更に、このMB-1タンパクが、B細胞表面上の1gMレセプターと結合している可能性が示唆されたので、現在、このMB-1結合タンパクの解析に全力を注いでいる。 また、MB-1タンパクの機能的役割を解明するためにその第一段階として、研究計画に従って、このMB-1タンパク特異的モノクローナル抗体の作成を開始し、そのスクリーニング、クローンの選別、再クローニング等の必要な実験を終了した。現在、これらの抗体を用いてB細胞の活性化や分化に及ぼす影響や、正常B細胞での発現の変化の研究を推し進めている。また、同様に大量培養等で、精製モノクローナル抗体の作成を行っている。
|
-
[Publications] S.Akira.: EMBO Journal. 3. 677-681 (1984)
-
[Publications] N.Sakaguchi.: EMBO Journal. 5. 2139-2147 (1986)
-
[Publications] N.Sakaguchi.: Nature. 324. 579-582 (1986)
-
[Publications] N.Sakaguchi.: Current Topics in microbiology and lmmunology. 135. 579-585 (1987)
-
[Publications] A.Kudo.: EMBO Journal. 6. 103-107 (1987)
-
[Publications] A.Kudo.: Genomics. 1. 277-279 (1988)
-
[Publications] N.Sakaguchi.: EMBO Journal. 7. 3457-3464 (1988)