1989 Fiscal Year Annual Research Report
活性化B細胞に表現される細胞表面抗原(Lp-3)の構造と機能について
Project/Area Number |
63570227
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Research Institution | Juntendo University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 英俊 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30091573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 裕之 順天堂大学, 医学部, 助手 (60189313)
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Keywords | モノクロ-ナル抗体 / 活性化B細胞抗原 / B細胞亜集団 / 増殖分化因子リセプタ- / アフィニティフグロマトグラフィ / 免疫グロブリンス-パ-ジ-ンファミリ- / ウエタンブロット / アミノ酸配列分析 |
Research Abstract |
自己免疫病に認められる自己抗体の産生はB細胞の異常な活性化に基づく結果であるが、我々は先にこの活性化B細胞を検出し得る抗体を発見した。この抗体で検出される抗原(Lp-3)は、顆粒球系細胞やT細胞にも構成的に表現されるが、休止期B細胞には表現されず、Mitogenによる活性化、種瘍化により初めて表現される。また自己免疫病を自然発症する(NZB×NZW)F1マウスでは、自己抗体産生を認めない若齢期にLp-3(+)のB細胞亜集団が異常に多く、これらのB細胞はIL-5、IL-6に反応し抗体を産生した。以上よりLp-3には増殖分化因子のレセプタ-、あるいはリセプタ-関連分子の可能性もありこの検討のために、遺伝子クロ-ニングによる既知のレセプタ-分子等とのホモロジ-検索が近道と考え、部分アミノ酸配列分析に着手し、目的クロ-ンと思われるものを得るに至った。1.Lp-3を発現しているMRL/lprの増殖T細胞を出発材料として、アフィニティ-クロマトグラフィ-等を用いて、アミノ酸配列分析に耐えられる量、純度のLp-3抗原を得た。2.上記の蛋白を酵素消化し、数個のペプチドフラグメントについてのアミノ酸配列を決定した。それらのうちの1つは免疫グロブリンス-パ-ジ-ンファミリ-と相同性がみられ、既知のリンホカインレセプタ-構造との関連で興味深い。現在、既に確立してある、cDNAライブラリ-より、アミノ酸配列分析を基にして、Lp-3をコ-ドすると思われるクロ-ンを得ている。3.Lp-3は分子量132kdの分子間ジスルフィド結合をもたない分子である。ウエスタンブロットでみる限り、T細胞系、B細胞系、腫瘍細胞それぞれに発現しているLp-3抗原は同じ挙動を示した。これらの蛋白の発現制御研究には、クロ-ニングされたcDNAが有効と考えている。
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[Publications] Sekigawa,I.,Noguchi,K.,Hasegawa,K.,Hirose,S.,Sato,H.& Shirai,T.: "B cell hyper-responsiveness to IL2 and the age-associated decline in murine lupus." Clin.Immunol.Immunopathol.51. 172-184 (1989)
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[Publications] Hasegawa,K.,Abe,M.,Okada,T.,Hirose,S.,Sato,H.& Shirai,T.: "Are Lyl B cells responsible for the IL2-hyperresponsiveness of B cells in autoimmune-prone NZB X NZW F1 mice?" International Immunol.1. 99-101 (1989)
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[Publications] Abe,M.,Okada,T.,Matsumoto,K.,Ishida,Y.,Shiota,J.,Nishimura,H.,Hirose,S.,Sato,H.& Shirai,T.: "The novel murine B cell differentiation antigen Lp-3." International Immunol.1. 576-581 (1989)