1988 Fiscal Year Annual Research Report
母ラットのMg欠乏状態が仔ラットの成長におよぼす影響について
Project/Area Number |
63570247
|
Research Institution | Koshien University |
Principal Investigator |
八木 典子 甲子園大学, 栄養学部, 助教授 (00140385)
|
Keywords | マグネシウム / 欠乏 / 胎児 / 乳幼児 / 心筋収縮 |
Research Abstract |
本年度は、妊娠中ラットのMg欠乏状態が仔ラットにおよぼす影響について検討を加えるとともに、離乳直後の幼若ラットに対するMg欠乏状態の影響も検討した。 《妊娠中の影響実験》妊娠中のラットに飼料中のMg量を種々変えた飼料(正常食;Mg量100%に対しMg80%,50%,30%,0%各群5種類)を与えて飼育し、出産直後より全群Mg100%食を与えて4週間授乳させた後仔ラットを解剖して血球・血漿中のMg量、心筋の電気生理学的検討および心筋の組織学的な検討を行った。結果Mg100〜30%群は10〜11匹の仔ラットを出産したが0%群のみは1匹も出産しなかった。仔ラットの大きさはMg100,80%では差はなかったが50,30%群では成長が悪かった。血球・血漿中のMg量は正常食群に比し他の全群で血球は変化が認められなかったが血漿で減少を認めた。心筋の電気生理学的実験では、正常食群以外は全群授乳中に正常食を与えても電気刺激に対し収縮回復不良、心室細動の以上パターンを示した。 《幼若ラットの影響実験》離乳直後の幼若ラットに対しても上記と同様5種類(Mg100,80,50,30,0%)の飼料を与え4週間飼育して上記と同様の実験を行った。結果離乳までは正常食で育っていたため、体重,血球・血漿中Mg量への影響は妊娠中に影響を受けた群より少ないが、心筋の電気生理学的実験ではやはり80%群から刺激に対する収縮回復不良、心室細動の異常パターンを示した。 以上により、胎児期・乳幼児期のMg摂取量が正常の80%とわずかに減少していてもMg欠乏状態が認められ、特に心筋の電気刺激に対する反応の異常が著しいため、心筋の組織において異常が認められるのではないかと考え現在心筋組織について検討中である。
|
Research Products
(1 results)