1988 Fiscal Year Annual Research Report
費用効用分析による軽症高血圧患者のコミュニティケアの評価に関する医療経済学的研究
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63570249
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鏡森 定信 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20019615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 孝子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60190039)
成瀬 優知 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30135008)
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Keywords | 高血圧 / コミュニティケアー / 費用効用分析 |
Research Abstract |
軽症高血圧が高血圧の大半を占めるにいたったことは、コミューニティにおける高血圧管理の費用効用分析の進め方にも少なからず影響を及ぼすこととなった。すなわち、健診で高血圧を指摘はされたが、必ずしも医療機関で受療せずセルフケアーを中心として自己管理する群の出現である。したがって本年度は費用効用分析の対象を富山県小矢部市(人口約4万人)における健診受診群と医療機関受療群の2群とし、それぞれの群において費用と効用の面から高血圧管理を検討した。 1.健診受診群における費用効用分析 健診の効用はこれを毎回受診している者に最もよくあらわれると予測される。そこで、昭和58年より62年まで毎回受診した3740人(男1152人、女2588人)のうち初年度高血圧であった者729人(男261人、女468人)の5年間の効用を正常血圧者と比較した。高血圧群では血圧が低下傾向にあり、正常血圧群の上昇傾向と対照的であった。しかし、肥満度、喫煙、飲酒,塩分など高血圧の険を高める要因ではその減少傾向がみられず、肥満度、飲酒、塩分では高血圧群でえって危険要因が多い状況であった。また精検で高血圧要治療者の受療率は20%程と低かった。 2.医療機関受療群の費用効用分析 小矢部市住民(40〜69才)の国保レセプトを抽出し、外来治療高血圧患者244人(男72人、女172人)の昭和62年の1年分のレセプト3292枚を調査した。昭和58年から61年までの健診受診状況別に比較したところ、健診を毎回受診していた群ではレセプト上の疾患数、受療日数ともに少なくその結果医療費が低値(平均より11%減)であった。また高血圧とその危険要因では、喫煙者の割合が健診毎回受診者で減少していたが、血圧値、肥満度については健診受診状況による差異はみられなかった。今後、脳卒中や心筋硬塞の発生率も効用に加え費用と効用を分析する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 垣内博成 他: 公衆衛生. 53. (1989)
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[Publications] 鏡森定信 他: 公衆衛生. 53. (1989)
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[Publications] 新井宏朋 他: "脳卒中、寝たきり、痴呆の地域ケア" 日本公衆衛生協会, 1-115 (1989)