1988 Fiscal Year Annual Research Report
健康障害に関連するリスクファクターの地域的・栄養疫学的解析と評価
Project/Area Number |
63570255
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三好 保 徳島大学, 医学部, 教授 (70035393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 以徂子 徳島大学, 医学部, 教務員 (90116848)
田村 隆教 徳島大学, 医学部, 助手 (80155267)
今木 雅英 徳島大学, 医学部, 助手 (20168511)
藤井 正信 徳島大学, 医学部, 講師 (40035548)
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Keywords | 栄養疫学 / 微量金属5種 / 地域ブロック別 / ミネラル摂取量 / ワカメ無機成分 |
Research Abstract |
1.国民栄養調査成績から微量金属摂取量の推計を実施した。国民栄養調査は、その準拠した栄養価表の改訂と、戦後の国民の食生活の大きな変動から、昭和31年頃までは非常に高い摂取水準である。昭和30年代、40年代と昭和49年以後の4つの波を認めた。昭和49年以後の地域ブロック別の微量金属5種Cu、Mg、Mn、Pb、Znの摂取量推計値は、近年減少を示すのはCu、Mg、Mnの摂取量であった。Pb及びZnは横ばい、地域ブロック別では東日本に摂取レベルが高く、西日本に低い傾向がある。Znの摂取量は全国的にやや増加傾向で、地域ブロック別では東北に高く、四国九州に低い。総体的には東日本に摂取量が多い傾向を示す。銅はやや減少の傾向で、東北及び関東I.ブロックで摂取量が多く、近畿I、南九州に低い推移であった。Mnは銅と同様に遂年的に摂取量は減少傾向であり、東北、北陸に高く、近畿I、南九州に低くなっている。Mgは地域ブロック別の変動が最も大きく、摂取量の多いのは、東北、関東IIブロックで少ないのは近畿I及び南九州であり、銅、Mnと似た傾向であった。鉛はブロック間の変動は少なく、年次推移も小巾であった。ブロック別の摂取量の年次推移は、銅、Mg、Mnが比較的似通った経過を示し、亜鉛と鉛がブロック別摂取量推移に似た傾向である。微量金属摂取量の中で、東北を中心に東日本に高く、近畿I、南九州に低い摂取量となる要因の1つは、食品群別にみられる植物性食品摂取量の差が大きく影響している。 2.現在のところ、ブロック別の食品群別摂取パターンの差を表現する指標に、微量金属摂取量がなり得ることが分った。この結果から東高西低型の死因構造を示す慢性疾患との相関性の検討と検索を進めている。 3.摂取食品のミネラル類の定量とデータの収集に、ワカメの無機成分Fe、Ca、I、P、Mgを取りあげて人工消化液による溶出率を測定した。初期の溶出量が大きく、利用効率も高いことが分った。
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[Publications] 三好保: 日本公衆衛生雑誌. 35(8). 185-185 (1988)
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[Publications] 伊藤里美: 日本栄養・食糧学会誌. 41. 293-298 (1988)
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[Publications] 松本和興: 日本栄養・食糧学会誌. 42. (1989)