1988 Fiscal Year Annual Research Report
無症候性B型肝炎ウイルスキャリアの免疫状態と肝炎発症機序
Project/Area Number |
63570262
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
門奈 丈之 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30046958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 隆 大阪市立大学, 医学部, 助手 (00188757)
山下 昭美 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50094496)
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Keywords | HBVキャリア / リンパ球サブセット |
Research Abstract |
我々は、HBVキャリアの病態、特にキャリアの肝炎発症の機序の一端を解明する目的で抹消血リンパ状サブセットを分析した。 本年度は、HBVキャリアの病態別のサブセットについて検討した。対象は、HBVキャリア114名、そのうち無症候性HBVキャリア(ASC)55名、B型慢性肝炎69名である。対照として健常人ボランティア50名をコントロールとした。 方法は、モノクローナル抗体としてLeuZa、15、3a、8、7、11を用いfloucytometoryによって分析した。 結果)1.ASCに関して:ASCは健常人に比して、LeuZa^+15^+(SuppvessovT比:Ts),Leu30^+8^+(Suppvession inducev T比:Tsi)が有意に高値、Leu3a^+8^-(Helpev T比:Th)が有意に低値を示した。 2.B型慢性肝炎に関して:B型慢性肝炎は健常人に比して、Ts Tsiが有意に高値、LeuZa^+15^-(Cytotoxic T比:Tc)が有意に低直を示した。ASCとB型慢性肝炎との2群間には有意な差は認めなかった。 3.HBVキャリア全体(ASC+B慢性肝炎):健常人に比して、Ts;Tsiが有意(p<0.01)に高値、Th、Tcが有意(p<0.05)に低値を示した。Leu711系には有意な差は認めなかった。 以上HBVキャリアは、相対的にimmunosupp vesiveな状態にあることが示唆され、HBVの長期持続感染という病態が抹消血リンパ球サブセットに反映していると考えられる。 次年度は、シューブ、セロネガティブなどキャリアの病態の変化に伴うリンパ球サブセットの変動を分析しキャリアからの肝炎発症の機序について考えて行きたい。
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