1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570267
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
権守 邦夫 秋田大学, 医学部, 助手 (10006744)
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Keywords | キノコ毒 / セロトニン / モノアミンオキシダーゼ / 高速液体クロマトグラフィ / 電気化学的検出器 |
Research Abstract |
日本人は世界でも有数のキノコ好き民族であるが、それにともない毒キノコによる中毒も毎年繰り返されている。食用にできるキノコは300種を越えるが、日本に見られる毒キノコはわずか30余種、このうち中毒を起こしたことのあるキノコは20種弱に過ぎない。これら毒キノコの中には、十数本で大人100人を致死させる能力を持つものがあり、犯罪に使われる危険性も存在する。しかし、それらの毒成分や中毒のメカニズムの解明は成されておらず、また、法医中毒学的検査法も確立されていない。本研究は、毒キノコの毒成分を明らかにし、毒作用のメカニズムを解明するとともに、キノコ毒の法医学的検査法を確立することを目的とする。初年度は毒キノコとしてクサウラベニタケ、コイイロクサウラベニタケ、ツキヨタケ、コタマゴテングタケ、コレラタケを、そして対照として用いるため食用のウラベニホテイシメジの採取を行なった。各キノコをアルコールで脱水後凍結乾燥し、乾燥品について定色反応と、薄層クロマトグラフィによる検査法について検討を加えている。また、食用のウラベニホテイシメジとよく混同する毒キノコのクラウラベニタケについて、ラットの脳および肝臓のモノアミンオキシグーゼ活性へのこれらキノコの影響をセロトニンを用いてin vitroで検討している。脳ホモジネート700G上清とキノコ抽出物を15分間振盪後セロトニンを添加し、60分後のセロトニン含量を電気化学的検出器付高速液体クロマトグラフィで測定した。その結果、食用のウラベニホテイシメジ、毒のクサウラベニタケ共に著しいセロトニン代謝の促進が観察された。しかし肝臓では逆にセロトニン代謝の抑制が観察されており、この差がいったい何を意味するものかを含めて更に検討を加えたい。
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