1988 Fiscal Year Annual Research Report
各種増殖因子によるヒト結合組織型、粘膜型肥満細胞並びに好塩基球の活性化の検討-ヒスタミン、ロイコトリエンC_4遊離反応を中心として
Project/Area Number |
63570283
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 寛 東京大学, 医学部, 助手 (60107620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三崎 義堅 東京大学, 医学部, 医員
平井 浩一 東京大学, 医学部, 助手 (10156630)
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Keywords | 好塩基球 / 結合組織型肥満細胞 / 粘膜型肥満細胞 / 増殖因子 / IL-3 / GM-CSF / IL-4 / M-CSF |
Research Abstract |
肥満細胞は最近の研究により結合組織型と粘膜型の二つの亜型に分類されるようになった。マウスにおいてはそれぞれの分化、増殖を支配する増殖因子はかなり解明されている。しかし、ヒトにおいては好塩基球、結合組織型及び粘膜型マスト細胞の増殖因子は不明である。増殖因子は支配する未熟な細胞の増殖を促すのみでなく、成熟細胞の活性化作用をも有することが近年知られるようになった。そこで、ヒトの好塩基球及び肥満細胞を支配する増殖因子を解明する目的で各種増殖因子(IL-3、IL-4、G-CSF、M-CSF、GM-CSF)がこれらの細胞を活性化するか否かをヒスタミン遊離反応を用いて検討し、以下の結果を得た。 1.ヒト好塩基球に対する増殖因子の作用 いずれの増殖因子もそれ自身では好塩基球からヒスタミンを遊離させなかった。しかし、IL-3、GM-CSFは濃度依存的に抗IgE、FMLP、カルシウムイオノフォアA23187によるヒスタミン遊離を増強した。これらの結果は両因子に対する細胞膜上の受容体の存在を示唆しており、更に両因子が好塩基球の増殖因子である可能性をも示している。 2.ヒト肥満細胞に対する増殖因子の作用 ヒト肺組織及び包皮をコラゲナーゼ、ヒアルロニターゼ、DNaseにより処理し、肥満細胞を得た。現在迄のところ、各種増殖因子は肥満細胞に対し作用を及ぼさないという実験結果が得られている。しかし、酵素処理により細胞が傷害されている可能性を完全には否定できないため、現在、肥満細胞の採取法に検討を加えているところである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Koichi,Hirai: J.Immunol.141. 3958-3964 (1988)
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[Publications] Yutaka,Morita: Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.(1989)
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[Publications] Koichi,Hirai: J.Immunol.
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[Publications] Yutaka,Morita: Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.submitted.
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[Publications] 森田寛: 第6回免疫薬理シンポジウム「アレルギーと神経ペプチド」. 67-74 (1988)