1988 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシン変換酵素のアミノ酸配列、アイソザイムの検討とその医学的応用
Project/Area Number |
63570284
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四元 秀毅 東京大学, 医学部, 講師 (10134545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 浩一郎 東京大学, 医学部, 助手
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 助教授 (80127092)
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Keywords | アンジオテンシン変換酵素 / アミノ酸配列 / アイソザイム / ヒト肺 / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
本年度はヒト肺からの効率的なアンジオテンシン変換酵素の精製法の確立と、これを試料とした本酵素のアミノ酸配列の検討を目指した。 ヒト肺(180gr)をWaring blender等でホモジナイズし、低速円心後その上清を22,000xgで遠心し、細胞膜分画を含む沈澱物にデタージェントを加えて疎水性の膜酵素等を可溶化した。従来、このようにして得られた膜分画の疎水性タンパク画分から、以下に述べるようなカラムクロマトグラフィー法により本酵素の精製を行ってきたが、この方法では精製効率が不十分であり、各種分析を行うに足りる精製酵素を得るのは困難であった。そこで、今回はデタージェント処理で得られた可溶化膜分画をトリプシンで処理し、これをhydroxy-apatiteによるカラムクロマトフラフィーを通し、さらに、SuperoseおよびMono Qのhigh performance column chromatographyを行うことにより本酵素の精製を行った。 ヒト肺(180gr)を出発材料とし、比活性105units/mgタンパクの高比活性を有し、sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis(SDS-PAGE)上、均一な本酵素0.3mgが得られた。SDS-PAGEでの分子量は170,000と計算され、クロマトフォカッシング法による等電点は4.8であった。 精製酵素のアミノ酸配列をアミノ酸分析機により検索したところ、アミノ基末端からの配列は(NH_2)-X-X-Pro-Gly-Leu-Glu-Pro-Gly-X-Phe-Ser-Ala-Arg-Glu-Ala-Gly-Alaと、17個中14個のアミノ酸配列を決定することができた。このアミノ酸配列はすでに報告されているウシ、ウサギ肺、ブタ、ウシ腎由来のアンジオテンシン変換酵素のN末アミノ酸配列と高い相同性を有していたが、ヒト腎由来の同酵素のそれとは異なるものであった。 現在、各種臓器由来の本酵素のアイソザイムを検討中である。
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