1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570290
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福原 吉典 大阪大学, 医学部, 助手 (90165308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 茂生 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
中浜 肇 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
山内 淳 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | 遺伝子発現 / 糖代謝 / 酸・塩基平衝異常 / ホスホエノールピルビン酸力ルボキシキナーゼ / ピルビン酸キナーゼ / In Situ Hybridization |
Research Abstract |
糖代謝酵素メッセンジャーRNAの動態の検討:(I)糖新生系酵素の動き:腎臓は肝臓とならぶ重要な糖新生臓器であり、絶食時やアシドーシス時には腎臓での糖新生系が亢進することが酵素活性レべルで知られている。我々は、遺伝子発現より糖代謝を見直すため、糖新生系の律速酵素Phosphoenolpyruvate carboxykinase(以下PEPCK)を対象とし、そのメッセンジャーRNA(mRNA)の動き検討した。〔方法〕ラット腎のTotal RNAは、Guanidium-LiCl法により抽出し、^<32>PラべルのPEPCKcDNA(Dr.Granner)を用いてHybridizationを行った。mRNAの局在証明としてin situ hybndization(チミンダイマー法:中根一穂ら)を用いて検討した。〔結果〕(1)PEPCKmRNAレべルは急性酸(塩化アンモニウム)負荷により上昇し、急性アルカリ(重曹)負荷では逆に減少した。変化の割合は負荷量に相関した。(2)経口酸負荷において負荷後1時間後よりmRNAの上昇傾向を認め、負荷後3時間目では有意な増加を認めた。(3)24時間の絶食および急性酸負荷(6時間)を組み合わせたプロトコールでは、絶食・酸負荷ともmRNAレべルは約2倍となり、両者が相乗的に作用していることが明らかとなった。(4)Northern Analysisより、mRNAレべルの変化は転写レべルでの制御を介していることが示唆された。(5)肝臓でのPEPCKmRNAは、(3)の条件では有意な増加を認めず、肝臓と腎臓では異なったメカニズムで糖代謝の調節が行われていることが再確認された。(6)In Situ HybridizationによりPEPCKmRNAレべルの増加は腎近位尿細管でのmRNAのaccumulationの結果と考えられた。(II)解糖系酵素の動き:〔方法〕糖新生系の検討と同じ。解糖系酵素として律速酵素Pyruvate Kinase(PK)を対象とした。〔結果〕糖新生系が亢進する条件では、PKの2種のアイソザイム(L型PK、M_2型PK)ともmRNAレべルの変化を認めなかった。
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[Publications] Yamauchi,A.: Am.J.Physiol.254. E676-E679 (1988)
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[Publications] Nakahama,H.: Niphron. 49. 223-227 (1988)
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[Publications] Nakahama,H.: 日本腎臓学会誌. 30. 1103-1108 (1988)
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[Publications] 折田義正: "輸液療法:体液の生理と病態" 金原出版, 2 (1988)