1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570295
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坪内 博仁 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (60145480)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / 劇症肝炎 / Kupffer細胞 |
Research Abstract |
(1)ヒト肝細胞増殖因子(hHGF)の精製 劇症肝炎患者の血漿交換療法時にえられた血漿より、申請者らの確立した方法すなわち加熱(56°C・15分間)、硫安分画、アフィゲルブルーヘパリンセファロース、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーの5つのステップによりhHGFを精製した。約10名の患者血漿15lより約500μgの精製hHGFを得た。 (2)hHGFに対する特異抗体の作製 (1)モノクローナル抗体の作製:hHGFでBALB/Cでマウスを免疫し、その脾細胞とミエローマ細胞P_3U_1細胞を混合比10:1で混合し、ポリエチレングリコール1500を用いて隔合した。細胞融合後脾細胞を24穴dishにまき、培養しその上清の抗体価を酵素免疫抗体測定法(ELISA)により測定した。ELISAにより陽性細胞を検出し、クローニングをくりかえし最終クローンを得た。そのクローンをBALB/Cマウス腹腔に接種し腹水を回収し、MAPSキットにて抗体を精製した。(2)ポリクローナル抗体の作製:hHGF溶液とcomplete Fround Adjuvantをよく混合し、ウサギに接種してELISAにより血清中の抗体価を測定した。抗体価の上昇している血清よりMAPSキットにより精製した。これらのモノクローナル抗およびポリクローナル抗体はWesternblottingにより精製hHGFと反応した。 (3)hHGF産生臓器の検討 抗hHGF抗体を用いて、まずラットの肝・消化管・膵・脳を対象として免疫組織化学的にhHGFの産生臓器を検討したが、抗hHGF抗体で染色される組織はえられなかった。そこで、次にニホンザルの各組織を対象として、同様の検索を行ったところ、肝のKupffer細胞が染色された。劇症肝炎患者の剖検時の各組織を対象としたが、陽性の組織はえられなかった。今後さらに新鮮な組織を対象として検索することが必要である。
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[Publications] 橋本修治、坪内博仁 他: 病態生理. 6. 479-481 (1987)
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[Publications] 坪内博仁 他: 肝胆膵. 17. 759-771 (1988)
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[Publications] 橋本修治、坪内博仁: 老化と疾患. 1989.
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[Publications] E.Gohda,;H.Tsubouchi,et al.: J.Clin.Inuest.81. 414-419 (1988)
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[Publications] H.Tsubouchi,et al.: Hepatology. (1989)
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[Publications] 合田栄一、坪内博仁 他: 消化器と免疫. 22. 143-146 (1989)