1988 Fiscal Year Annual Research Report
HLA領域に存在する慢性関節リュウマチとシェーグレン症候群感受性遺伝子の分子生物学的検討
Project/Area Number |
63570301
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
守内 順子 東海大学, 医学部, 助手 (40125414)
|
Keywords | シェーグレン症候群 / 慢性関節リウマチ / HLA領域遺伝子 / クラスIIIサザンブロット / 補体蛋白 / C4A / C4B |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)とシェーグレン症候群(SS)の発症の遺伝的背景を検索する目的で、HLAクラスIII領域遺伝子群及びその産物に関する研究を開始した。本年度はクラスIII領域でコードされている補体蛋白のアロタイプの決定を行なった。 SS患者76名、RA患者52名、及び63名の健常人コントロールから得たEDTA加血漿を用いて高電圧アガロース電気泳動後、immunofixation,immunoblotを行なってC4A,C4B,Bfアロタイプを決定した。その結果SS患者のうち他の膠原病を合併していないSS単独グループ(I^0ーSS)に、C4Aのnulle alleleであるC4AQOがコントロールに比し高頻度に認められることが判明した。他の膠原病を合併したSS患者グループには、コントロールに比して有意な変動は認めなかった。一方、RA患者では、C4B5の頻度がコントロールに比して有意に増加しており、この傾向は、女性より男性に著明であった。 以上の結果より、I°ーSS発症の遺伝的背景が他の膠原病と異なること、並びにDRw53とC4AQOの2つのHLA領域遺伝子が発症に関与していることが示唆された。(HLAーDRw53とI°ーSSの相関に関しては既に発表すみ)RAに関しては、人種を問わずDR4とRAの相関が報告されていること、日本人ではC4B5とDR4をコードしている遺伝子間に連鎖不平衡が存在すること、及び白人RAとC4B5の相関がないことなどから、DR4遺伝子そのものか、或いはそれに密接に連鎖している遺伝子がRAの発症を規定していると考えられた。従ってC4B5とRAの相関は2次的なものと考えた。 これらのデータをふまえ、SS、RA患者及びコントロールの白血球よりDNAの抽出と精製を行った。現在、サザンブロット法を用いて、HLA領域の疾患の発症を規定していると考えられる遺伝子の解析を進めている。
|
-
[Publications] J.Moriuchi,et al.: The 6th SEAPAL Congress of Rheumatology.121 (1988)
-
[Publications] J.Moriuchi,et al.: Arthritis and Rheumatism.
-
[Publications] 森田和之 等: リウマチ.