1989 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインを用いた多発性骨髄腫細胞株樹立とその増殖制御に関する細胞工学的研究
Project/Area Number |
63570304
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
清水 史郎 金沢医科大学, 血液免疫内科, 助教授 (50097432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 律子 金沢医科大学, 血液免疫内科, 助手 (30200950)
橘 順子 金沢医科大学, 血液免疫内科, 助手 (70163475)
沢田 信 金沢医科大学, 血液免疫内科, 助手 (50170824)
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Keywords | インタ-ロイキン6 / 多発性骨髄腫 / 骨髄腫細胞株 / マクロファ-ジ / サイトカイン / パラクリン増殖機構 / 白血球接着分子 / RAS癌遺伝子 |
Research Abstract |
骨髄腫細胞の増殖を考える上で、生体内で形成される微小環境、特に骨髄微小環境が重要であるとの観点から、骨髄ストロ-マ細胞の一構成成分であるマクロファ-ジを用い、マクロファ-ジと骨髄腫細胞増殖の相互関係及び、樹立骨髄細胞の増殖機構に関し研究を行った。現在まで下記の点を明らかにし報告している。 1.マクロファ-ジは骨髄腫細胞増殖に強い作用を有し、マクロファ-ジをfeeder layerとして骨髄腫細胞の樹立が飛躍的に高まる事。 2.骨髄腫細胞はIL-6、IL-1に反応して増殖を示すが、マクロファ-ジは主としてIL-6を分泌して増殖促進作用を示す事。 3.マイクロファ-ジを用いて1年以上培養維持している細胞株6株を樹立し、更に樹立途上(培養1年以内)の4株を得ている事。 4.骨髄由来の骨髄腫細胞膜はマクロファ-ジあるいはIL-6依存制増殖を示すのに対し、髄外由来骨髄腫細胞株は培養早期よりマクロファ-ジあるいはIL-6非依存性増殖を示す事。 5.樹立培養株のうち、ILKM3、KM4の2株はN-RAS癌遺伝子エクソン2コドン61に点突然変異を有し、ともにコドン61p1がグルタミンよりリジンに置換されている事。 6.マクロファ-ジは骨髄腫細胞に対し、少数であれば増殖促進活性を示すが、過剰比率になると増殖制御活性を示す。この増殖抑制作用にはマクロファ-ジと骨髄腫細胞の接着が必要であり、マクロファ-ジのLFA1抗原が骨髄腫細胞の発現するICAM1に接着する事により起こる現象である事。
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[Publications] Shimizu,S.et al.: "Dual regulatoty effects of monocytes-macrophages on the proliferation of myeloma cells" Acta Hematol.Jap.51. 1550-1557 (1988)
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[Publications] Shimizu,S.et al.: "Establishment of two interleukin 6-dependent human bone marrow-derived myeloma cell likes." J.Exp.Med.169. 339-344 (1989)
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[Publications] 清水史郎: "IL-6依存性ヒト・リンパ系腫瘍細胞株-レンネルトTリンパ腫と多発性骨髄腫" 実験医学. 7. 64-66 (1989)
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[Publications] Sawada M.et al.: "Point mutation in codon 61 of N-RAS genes in human myeloma cell lines." Nucleic Acid Res.17. 8867 (1989)