1988 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜レベルからみた老化と小腸吸収機能に関する研究
Project/Area Number |
63570331
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
菊地 一博 東海大学, 医学部・内科六, 助手 (40153051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 登志子 東海大学, 医学部・内科六, 研究員 (80153063)
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Keywords | 小腸 / 吸収 / 老化 / ベジクル / 輸送担体 |
Research Abstract |
ベジクル作成方法をMg^<++>沈澱法から膜に付着したCytoskeletal materialを分離可能なThiocyanate処理法に変更すべく検討を重ねた。その結果、Purificationは向上するもののベジクルの獲得量が著しく減少することが判明した。予定した実験動物数と動物舎で飼育可能な実験動物数のいずれにも制限があるため、Thiocyanate処理法は今回の実験計画には不適当と考え従来のMg^<++>沈澱法で実験を進めることになった。 ベジクルのValidationは細胞膜特異酵素測定および電子顕微鏡写真による形態学的検討の方法を用いて行なった。細胞膜特異酵素測定の結果各酵素活性値は小腸粘膜全体に比して以下のような結果を示した。【○!1】小腸粘膜細胞刷子緑特異酵素:ロイシンアミノペプチダーゼは12倍の活性値上昇を認めた。小腸粘膜細胞測定膜特異酵素:Na^+/K^+ATPase活性は1〉であり、各種細胞内小器管特異酵素もいずれも1〉の活性値減少を認めた。また、電顕写真では典型的な細胞膜ベジクルフォーメーションが確認された。以上より、今回作成したベジクルは以下の実験に使用可能であると判断した。 老齢ラットを現在作成中で、1年間飼育を目標に飼育中である。当初予定したSDラットを老化実験に適したFisher344ラットに変更している。 これまでに予備実験として行なった、12ケ月飼育のWistar ratの実験結果は、dーグルコースの輸送担体の老化を示すものであり予備実験としては充分に満足のいく結果であった。dーグルコースの輸送担体の老化に関しては、これまでに幾つかの報告がみられるものの、未だに意見の一致が得られていない。我々の知見は輸送担体の老化説を裏付けるものではあるが、輸送担体の機能低下が数の減少によるものなのか、あるいは数己のものの減少ではなく、個々の能力の劣化にともなうものなのか等々今後の研究によりあきらかにしていきたい。
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