1989 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜レベルからみた老化と小腸吸収機能に関する研究
Project/Area Number |
63570331
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
菊地 一博 東海大学, 医学部内科6, 講師 (40153051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 登志子 東海大学, 医学部内科6, 研究員 (80153063)
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Keywords | 小腸 / 消化,吸収 / 刷子縁膜 / 老化 / グルコ-ス / カルシウムイオン / リン酸イオン / Na^+@H^+ antiporter |
Research Abstract |
刷子縁膜におけるd-Glucose輸送担体について、wistar系ラットを用い予備実験を行った。18ケ月令のWistar系ラットを実験に使用した。対照群に比して、18ケ月令のグルコ-ス輸送量は少なく、老化に伴う機能障害の存在が示唆された。本試験に使用する老化実験用のFisher344ラットを現在飼育中である。Fisher344ラットの実験を平成元年12年より開始の予定であったが、最近18ケ月令では老化実験に使用するのは疑問とする意見が多く、実験開始をさらに6〜12ケ月延期している。 本邦では、一定期間飼育済のラットを購入できないため、老化実験には飼育期間の時間を考慮する必要があった。このため、実験が予定より年の単位で遅れている。しかし、来月にはFisher344ラットが24カ月令に達するので一部の実験を開始できるものと考えている。したがって、平成2年度の研究期間内に予定したすべての実験を完了するのは困難になりつつあるが、刷子縁膜および細胞内小器官におけるイオン輸送については期間内に研究実績を得られるものと考えている。 平成元年度に終了した実験のまとめとしてはFisher344ラット8週令のコントロ-ル群について、d-Glucose輸送担体のdataを取り終え、次いでカルシウム、Na^+/Ca^<++>exchangerの基礎data収集に取り掛かるところである。さらに、現在実験系のbiopsy sampleを用いたマイクロ化を検討中で、これに成功すればプロジェクトをラットからヒトへ拡大できるものと考えている。幸いにして、ヒト小腸のbiopsy sampleを集めやすい立場であり、老人の検査が多いので是非このマイクロ化を成功させたいと思っている。これまでの実験を通して実験から得た教訓は「老化実験は時間がかかる」という一言であり、これまでのところこれにつきると言わざるを得ない。
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