1990 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜レベルからみた老化と小腸吸収機能に関する研究
Project/Area Number |
63570331
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
菊地 一博 東海大学, 医学部・内科, 講師 (40153051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 登志子 東海大学, 医学部・内科, 研究員 (80153063)
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Keywords | 小腸 / 消化吸収 / 老化 |
Research Abstract |
〔グルコ-ス吸収能の加齢変化〕刷子縁膜ベジクルにおけるグルコ-ス輸送を ^<14>Cをラベルしたdーグルコ-スを用い、急速濾過法にて検討した。対照群におけるグルコ-ス輸送は、Na^+イオン勾配下で反応開始後30秒に1000pmol/mg proteinを越えるピ-クを持つ、所謂オバ-シュ-ト現象を認めた。equilibriumにおけるグルコ-ス取り込み量は200pmol/mg proteinであった。K^+イオン勾配下ではこのようなオ-バ-シュ-ト現象は認められなかった。これに対して、老齢群のグルコ-ス取り込み曲線は、Na^+イオン勾配下においてもオ-バ-シュ-ト現象を示さず、ピ-ク値のグコ-ス取り込み量は480pmol/mg proteinと対照群の半分にも満たない値をしめした。老齢群のK^+イオン勾配下におけるグルコ-ス取り込みは対照群と同様のパタ-ンを示したが、Na^+イオン勾配下と異なり対照群よりも取り込み量は高い値を示した。このことは、刷子縁膜においてNa^+イオンと共同輸送を行うグルコ-ス輸送担体が加齢にともないその機能に変調をきたすものと考えられた。K^+イオオノフォアのオリゴマイシンを用いたelectrogenesityに関する実験から、加齢にともない膜電位エネルギ-をグルコ-ス取り込みに利用できなくなる可能性が示唆された。従って、細胞膜のelectrogenesityが変化することがオ-バ-シュ-ト現象消失の原因と考えられた。さらに、輸送担体のキネティクスに関して現在実験を実施している。 〔カルシウム吸収能の加齢変化〕刷子縁膜ベジクルにおけるカルシウム輸送を ^<45>Caを用い、急速濾過法にて検討した。対照群、老齢群における経時的なカルシウム取り込み曲線は、対照群に比し老齢群で低値を示した。現在までに終了した実験結果は以上であるが、さらに検討を加える所存である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 菊地 登志子: "小腸細胞ミトコンドリアにおける無機燐酸輸送機構とその発達について" 日本消化器病学会誌(臨時増刊号). 86. 1984- (1989)
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[Publications] 菊地 一博: "食餌中ポリアミンの小腸細胞増殖と刷子縁膜Na^+/H^+Exchange Systemの関連" 日本消化器病学会誌(臨時増刊号). 86. 1984- (1989)
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[Publications] 菊地 一博: "ラット小腸吸収上皮細胞刷子縁膜におけるNa^+/H^+exchangerの発達" 日本消化器病学会誌(臨時増刊号). 86. 510- (1989)
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[Publications] 菊地 登志子: "小腸細胞内ミトコンドリアにおけるカルシウム輸送機構とその発達" 日本消化器病学会誌(臨時増刊号). 85. 2070- (1988)