1988 Fiscal Year Annual Research Report
無アルブミンラット(NAR)肝由来アルブミン陽性細胞の分離とアルブミン産生機序の解明
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63570332
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
永森 静志 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 講師 (60119831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筋野 甫 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 助手 (90196783)
蓮村 哲 東京慈恵会医科大学, 第一内科, 助手 (30189518)
田中 寿子 東京慈恵会医科大学, 附属研究部, 助教授 (60072401)
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Keywords | 無アルブミンラット / NAR / アルブミン陽性細胞 / DAB発癌 / 肝癌細胞株の樹立 |
Research Abstract |
無アルブミンラットは、SDラットより分離された突然変異ラットである。このラットの正常肝には、酵素抗体法により染色されるアルブミン陽性細胞は極めてわずかである。我々は、このラットにおける加齢、部分肝切除后再生肝、四塩化炭素投与硬変肝において出現増加する肝内アルブミン陽性細胞について検討を行ってきた。その結果、肝内アルブミン陽性細胞の出現様式は、それぞれにおいて異った特徴的な所見を呈した。このためアルブミン陽性細胞の出現様式の多様性が、種々肝障害に伴う肝再生機構のマーガーとなると考え、現在までにアルブミン陽性細胞の数量的解析を伴い、また三次元コンピューター解析装置を用いての肝内陽性細胞の立体構築を試みてきた。今回、このNARにおけるアルブミン陽性細胞のさらにくわしい解析を行う目的で、陽性細胞の株化を試みた。NARに3^1ーMeDA・Bを含む固形試量を投与し、その結果発生する肝癌より癌細胞株を樹立し、その解析を行った。DAB投与20週頃より肝癌が発生し、最終的には実験対象全てが発癌した。癌組織は組織学的には髄様、胆管増生様、のう胞状の組織が混在する混合型肝癌の様相を呈していた。組織切片の酵素抗体法によるAFP染色では、ほとんどの部位で陽性所見が得られた。さらに一部の癌部ではアルブミン陽性の細胞群が確認された。無菌的に取り出した細胞の一部は、はりつけ法にて培養を行い、癌細胞株の樹立をみた。株細胞は敷石状に配列する一方、一部はpile upする傾向を示し、数種の細胞の混在を思わせる所見を示した。株細胞のアルブミン染色では、今回陽性所見を得ることはできなかった。現在引きつづき、新たな肝癌細胞株の樹立を試みており、アルブミン陽性癌細胞株の樹立を目ざす。これらより、肝細胞の増殖過程をアルブミン陽性または陰性細胞をマーカーとして検索をすすめる態勢を作る予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 清水恵一郎: 肝臓. 26. 115 (1985)
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[Publications] K.Shimizu: Journal of Clinical Electronmicroscopy. 19. 563-564 (1986)
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[Publications] K.Shimizu: VII International Congress of Live Diseases Cirrhosis(Falk Symposium No.44). 22 (1986)
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[Publications] 清水恵一郎: 肝臓. 30. (1989)