1990 Fiscal Year Annual Research Report
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63570350
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大井 元晴 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (20144389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 和夫 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (90197640)
久野 健志 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (70170016)
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Keywords | 慢性呼吸不全 / 高炭酸ガス血症 / 補助呼吸 / CNPV / 鼻マスクIPPV / 在宅人工呼吸 / 口呼吸 / 鼻抵抗 |
Research Abstract |
非挿管下補助呼吸として、Chest Negative Pressure Ventilation(CNPV),鼻マスクを使用したIntermittent Postive Pressure Ventilation(IPPV)がある。通常の人工呼吸は、気道確保と人工呼吸器より成るが、非挿管下では、気道確保を行わないが故に、上気道の開通性の影響を受けると考えられる。正常者を対象として場合には、CNPVの効果は口呼吸時最も大きく、通常は鼻呼吸であるため、口呼吸時の一回換気量は維持されない。また鼻抵抗と、CNPV時の一回換気量とは負の相関々係がある。この事は、覚醒時、口呼吸時CNPVの有効でない例では、効果は期待できない。また鼻抵抗の高い例、睡眠時効果の低下する例では、口呼吸をさせるなどの対策が考えられる。CNPVの効果の良い例では、鼻マスクIPPVの効果も良く、いびきをかく例では、睡眠時はIPPVの方が効果は良い。これらの結果より、非挿管下補助呼吸は、対象例の睡眠時を含めた上気道の開通性に依存し、個々の症例に応じた対策が必要と考えられた。 慢性呼吸不全症例においても、CNPVでは、安定期の結核後遺症例を対象とした場合には、正常人と同様に、口呼吸最大の効果を得られた。 臨床的に有用であったと考えられる非挿管下補助呼吸の使用は、PaCO_260Torr以上の慢性呼吸不全8例で行った。CNPVは5例で、鼻マスクIPPVは3例であり、うち2例で個人用鼻マスクを作成した。個人用鼻マスクの作成により、睡眠中の長時間の使用が可能となった。7例で、2ケ月以上使用し、PaCO_2は10Torr以上低下した。一時的にせよ在宅人工呼吸可能であったのは、CNPV3例、IPPV1例であった。またCNPV3例で、去痰困難が発生したが、喀痰吸引により効果は維持できた。 CNPVで閉塞性無呼吸,IPPVで口漏れにより低換気となるが、これらが発生しても、臨床的許容範囲があり、今後この点の検討が必要と考えられた。
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[Publications] 陳 和夫: "高炭酸ガス血症をともなった慢性呼吸不全に対する非挿管下補助呼吸に関する検討" 京都大学胸部疾患研究所紀要. 22. 50-57 (1989)
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[Publications] 大井 元晴: "非挿管下補助呼吸時の上気道機能" 日本胸部疾患学会雑誌. 28. 35-40 (1990)
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[Publications] 大井 元晴: "結核後遺症病態生理の立場から(換気)" 結核. 65. 847-854 (1990)