1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570362
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
辻 省次 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70150612)
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Keywords | スフィンゴリピドーシス / サンドホフ病 / ゴーシェ病 / 遺伝子変位 / PCR |
Research Abstract |
精神発達遅滞、local panatrophyという従来知られていなかった新しい臨床型を呈する若年型Sandhoff病を見いだしその分子遺伝学的な解析を行なってきている。酵素学的な解析から、ヘキソサミンダーゼβサブユニットの欠損を証明した。本疾患における分子レベルでの異常を明らかにすることを目的として、分子遺伝学的な解析を行なった結果、患者ゲノムDNAのサザーン解析では、遺伝子の大きな決失等は見い出せず、その遺伝子異常は、サザーン解析では明らかにできないpoint mutationである可能性が高いと考えられた。患者皮慮線維芽細胞を培養しmRNAを抽出後ノーザン解析を行ったところ、ヘキソサミンダーゼβサブユニットmRNAが激減していることが判明した。従来の研究成果から考えて、エクソン部分のpoint mutationによるnon-sense mutationあるいはmis-sense mutationである可能性が高いと考えられ、遺伝子増幅法(polymerase chain reactioni以下PCRと省略)により増幅された遺伝子の塩基配列を、サブクローン化する〜エクソンの塩基配列を決定している。 もう一つのスフィンゴリピドーシスであるゴーシェ病の遺伝子異常については、本研究代表者が、現在までに2つのpoint mutation (^<444>Leu→Pro)、(^<370>Asn→Ser)を明らかにしてきている。このうち前者は、NciIという制限酵素の断片長多型により検出できるが、後者の変異は制限酵素では検出できない。この場合PCRを用いるのが最善の方法であるが、ゴーシェ病では相同性の非常に高いpseudogeneが存在することが障害になっていた。そこでこのpseudigeneの塩基配列を解析し、その欠失部位を利用してfunctional geneのみが増幅できる方法を確立し、^<370>Asn→Serの検出が容易に行える方法を確立した。
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Research Products
(2 results)