1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570371
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
尾野 精一 帝京大学, 医学部, 講師 (20191968)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊倉 康夫 東京都老人医療センター, 院長 (50009875)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 皮膚のつまみ現象 / 無定形物質 / 膠原線維 / 一次元電気泳動 / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
我々はこれまでの研究より筋萎縮性側索硬化症(ALS)の皮膚では(1)膠原線維の直径は経過とともに小径化する、(2)多量の無定形物質の沈着がみられることの2点を明らかにした。とりわけ無定形物質はALS以外の疾患ではみられず、かつALSではその経過とともに増加することよりこの物質はALSに特異的なものと考えられた。従ってこの物質を電気泳動法を用いて検討した。〔対象および方法〕ALS8例(平均年齢52.9歳)、対照群7例(平均年齢53.9歳)の左上腕屈側部の皮膚を電顕的に無定形物質の有無を確認した後、Laemmli並びにMikawaらの方法に従って一次元および二次元電気泳動をおこなった。〔結果〕ALSでは無定形物質は全例に認められ、かつ経過の長いほど著明であった。一方対照群ではいずれもみられなかった。一次元電気泳動ではALS、対照群いずれにおいても分子量4万〜7万の間に6本のbandが識別され、その位置、染色性は各症例間で差は認められなかった。さらにALSでは分子量12,500に相当する位置に明瞭なbandが認められた。このbandはALSの経過とともに濃染する傾向があり、一方対照群では分子量12,500に相当する位置にbandはみられないか、あってもごく軽度に染色されるのみであった。電顕所見と考えあわせこのbandは無定形物質に相当すると考えられた。さらに二次元電気泳動では、分子量12,500に相当する位置に塩基性領域で1本の濃染するbandがみられ、従ってこのbandは塩基性の均質な蛋白に相当することが示された。〔考察および結論〕ALSの皮膚にみられる無定形物質は、ALSに特異的なものであり、分子量12,500の塩基性の均質な蛋白質が主成分であると思われた。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Seiitsu Ono.: J Neurol. 235. 397-399 (1988)
-
[Publications] Seiitsu Ono.: J Neurol Sci. 83. 81-92 (1988)
-
[Publications] Seiitsu Ono.: Acta Neurol Scand. 77. 102-107 (1988)
-
[Publications] Seiitsu Ono.: Acta Neuropathol(Berl).
-
[Publications] Seiitsu Ono.: J Neurol Sci.
-
[Publications] Seiitsu Ono.: J Neurol Sci.
-
[Publications] Seiitsu Ono.: "Amyotrophic lateral sclerosis:Recent advances in research and treatment" Excerpta Medica, 179-183 (1988)
-
[Publications] Seiitsu Ono.: "International conference of amyotrophic lateral sclerosis" Simul International, 261 (1988)