1988 Fiscal Year Annual Research Report
血圧概日リズム制御に果す間脳-下垂体前葉、下垂体後葉系の役割に関する 研究
Project/Area Number |
63570378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 潤 東北大学, 医学部附 属病院, 助手 (40133946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 圭志 東北大学, 医学部, 教授 (60004777)
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Keywords | 血圧概日リズム / ウィスターラット / 自然発症高血圧ラット / 尿崩症ラット / バゾプレッシン / 視床下部 / 間脳 |
Research Abstract |
今年度の研究において、まず、人のモデルとしてのラットに、血圧概日 リズムが認められるか否かを検討した。Wister-Kyotoラット (WKY) 及び、SHRの大腿動脈にカニューレを捜入し、無麻酔、無拘束下にラットの血圧を 持続的に記録した。4秒間に1度、血圧・心拍情報を、A-D変換器を介してMic rocomputerに導いた。24時間の記録終了後、各1時間毎の平均値は、自 動的に算出され、その等のデーターをもとに、コサイナー法により、周期法が分析さ れた。その結果、WKYにおいては、夜間に頂点位相を示す。明らかな血圧と心拍の 周期性を認めた。一方、SHRにおいても、心拍吸うの明らかな周期性を認め、その 頂点の位相は、WKYのそれと一致した。しかしながら、幼若週令SHRでは、頂点 位相の遅れが生じ、更に加令に伴いSHRではこの位相のずれが、明瞭化した。20 週令SHRでは、血圧の頂点位相は、正午近くに認められ、これは心拍の位相と18 0度のずれとなった。 以上の結果から、 (1) ラットにおいて、血圧の概日リズムが認められる事。 ( 2) この周期の位相は、人と対称的であり、頂点は深夜に認められる事。 (3) 人体 態性高血圧症モデルのSHRで、この血圧頂点位相と心拍の頂点位相にづれの生じる 事。が明らかとなった。この血圧の概日リズムと心拍の概日リズムに明らかな位相の 差が認められる事から、血圧概日リズムの生体時計は、心拍のそれとは異なる事が推 測された。SHRの視床下部においては、バゾプレッシンの含有の低下が報告されて いる。また生体時計 (Y振動体) の局在に、視索上核が想定され、また本部位がバゾ プレッシン産生部位であることから、バゾプレッシンこと、血圧概日リズムの相互関 係が推測された。今後更にBrattleboroラット (尿崩症ラット) を用い、 実験的に間脳-下垂体系の血圧概日リズムに及ぼす影響につき検討をすすめる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Imai Y.et al: Therapeutic Research. 9. 317-326 (1988)
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[Publications] Imai Y.et al: Hypertens ion. (1989)
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[Publications] Imai Y.et al: Am J Hypertens. (1989)