1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570385
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 尉義 東京大学, 医学部, 講師 (80168864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 明徳 東京大学, 医学部, 教務職員
中村 哲郎 東京大学, 医学部, 助手 (30172414)
折茂 肇 東京大学, 医学部, 教授 (00143438)
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Keywords | カルシウム / 血圧 / 自然発症高血圧ラット / 本態性高血圧症 / 血圧日内変動 |
Research Abstract |
1.目的:カルシウム(Ca)摂取の降圧効果とその機序を実験的、臨床的に検討する。2.方法:(1)実験的検討:4週齢の自然発症高血圧ラット(SHR)およびWistar-kyotoラット(WKY)をそれぞれ、普通食投与群(C群)、Ca欠乏食投与群(D群)、およびそれらに1%のCaCl_2溶液を飲水投与する群の4群に分け、血圧の推移を10週間追跡した。また、Ca摂取の降圧機序を検討するため、Caの中枢内投与(1-8μM)の血圧に及ぼす影響をSHR及びWKYで検討した。(2)臨床的検討:入院患者20例(73±2歳)につき低Ca食を1週間摂取させた後、乳酸Ca800mgCa/日を1週間投与し、毎日午前10時に血圧を測定した。またこの前後で、非観血型連続血圧測定装置を用いて1時間毎に血圧を測定、血圧日内変動係数(標準偏差/平均血圧×100(%))に及ぼす影響も検討した。3.結果:(1)WKYではCaの投与および欠乏は血圧に影響しなかった。SHRではC群に比べ有意に血圧が高く、またCa投与はSHRの高血圧の進展を有意に抑制した。中枢に投与したCaはSHR、WKYとも用量依存的に血圧を下げ、この効果はSHRで有意に大であり、Ca拮抗薬の前処理で抑制された。(2)全症例ではCaの投与は血圧の有意な変動を起こさなかったが、本態性高血圧症を有する8例では、159.3±1.0/87.3±3.7→147.0±3.0/82.0±3.6mmHgと収縮期圧は有意に(P<0.05)下降し、拡張期圧も下降傾向を示した。血圧変動係数は収縮期圧11.6±1.9→9.9±0.7%、拡張期圧13.5±3.2→12.6±2.0%と低下傾向を呈した。4.考察:臨床的にも実験的にもCaの摂取は高血圧例で降圧効果を有することが示され、Ca摂取は一般降圧療法になり得る可能性が示唆された。また、実験的にCaの中枢内投与は強力な降圧作用を有し、Ca摂取の降圧作用を説明する新しい機序となる可能性があるが、この点についてはさらに検討が必要と思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大内尉義: 日本老年医学会雑誌.
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[Publications] Ouchi,Y;Kim,Seungbum;Nakamura,T;Hattori,A;Orimo,H.: Hypertension.
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[Publications] Hattori,A;Ouchi,Y;Kim,Seungbum;Nakamura,T;Orimo,H.: Hypertension.