1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570396
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 助教授 (40135794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢谷 暁人 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
山田 充彦 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
川原 康洋 神戸大学, 医学部, 助手 (80169755)
秋田 穂束 神戸大学, 医学部, 助手 (60175792)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 動脈硬化 / セロトニン / ヒスタミン / ノルエピネフリン / イノシトールリン脂質代謝 / 冠動脈スパスム |
Research Abstract |
冠動脈スパスムは動脈硬化血管のセロトニン(5HT)、ヒスタミン(HA)などの特定刺激に対する収縮反応の亢進と内皮由来拡張因子(EDRF)を介する拡張反応の低下によって生じると考え、従来から実験的に薬理学的、生理学的に実証してきた。本年度は次の2点について検討した。 (1)HAによる血管平滑筋細胞でのイノシトールリン脂質代謝回転とEDRFによる制御:家兎大動脈標本を用いて、HAによる収縮反応と^<32>Piのphosphatidylinositol(PI)への取り込みを調べた。HAはH_1受容体を介して濃度依存性に収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みを生じ、内膜剥離によって収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みを20%、30%増加した。Guanylate cyclase inhibitorのメチレン・ブルーはHAによる収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みを増強した。EDRFを産生させるA23187はHAによる収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みを抑制した。結論としてHAは血管平滑筋細胞のH_1受容体を介してイノシトールリン脂質代謝回転を促進させ、血管収縮を生じるが、同時に内皮細胞からEDRFを放出してnegative feedbackをかけている事が判明した。(2)健常血管と動脈硬化血管でのイノシトールリン脂質代謝回転:健常家兎と食飼性高脂血症家兎の大動脈標本を用いて収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みを調べた。動脈硬化群はその病変の程度によって中等度と軽度に分けた。健常血管では5HTとノルエピネフリン(NE)は5HT_2とα_1受容体を介して濃度依存性に収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みを生じた。中等度動脈硬化血管の5HTによる収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みは健常血管と軽度動脈硬化血管に比して著しく亢進していた。一方、NEによる収縮反応と^<32>PiのPIへの取り込みは3群間で差を認めなかった。結論として中等度動脈硬化血管は5HTに特異的に共役した細胞情報伝達機構の異常が存在し、5HTに対する収縮反応の亢進を生じていることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Nishimoto,et al: Journal of Pharmacology and Experimental Therapeu-tics.
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[Publications] M.Yokoyama,et al: New England Journal of Medicine.
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[Publications] M.Go,et al: Biochemical and biophysical research communications. 153. 51-58 (1988)
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[Publications] Y.Ichikawa,et al: Journal of American College of Cardiology.
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[Publications] A.Yatani,et al: Journal of american College of Cardiology.