1988 Fiscal Year Annual Research Report
無侵襲法による大動脈血流計測法の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
63570408
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
藤浪 隆夫 名古屋市立大学, 医学部第三内科学教室, 教授 (60080024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家田 幸一 名古屋市立大学, 医学部第三内科学教室, 研究員
馮 守道 名古屋市立大学, 医学部第三内科学教室, 研究員
早野 順一郎 名古屋市立大学, 医学部第三内科学教室, 助手 (90173054)
奥田 宣明 名古屋市立大学, 医学部第三内科学教室, 助手 (20112500)
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Keywords | 生体電気インピーダンス / インピーダンス・カルジオグラフィー / 細胞外液 / 細胞内液 / 動脈血流 / 可変周波数 / 無侵襲計測法 |
Research Abstract |
微小高周波定電流を生体に印加してえられるインピーダンスより、血流変化や組織抵抗の変化を検出できることを応用してimpedance cardiographyが開発されたが、肺血流などの影響もあり心拍出量を正確に求めることはできないが、心機能に関連した多くの情報が含まれる。その一つとして、この方法による一次微分波(dz/dt)の駆血期の加速に相当する係数を求め、左心収縮性の指標として有用であるとの結果をえている。頸部と剣状突起レベルの電極間のimpedanceは胸郭の形態、脂肪組織、筋肉組織などの細胞内抵抗や血液、組織液などの細胞外液の影響を受ける。細胞膜は電気的にコンデンサーと考えられ、異なった周波数の電流におけるimpedanceの差より細胞内の電気抵抗と細胞外液の抵抗を検出し、組織水分量の客観的計測が可能になるものと考える。そこで肺水腫のある症例と対照について、印加電流の周波数を1KHzから1MHzまで変えて胸部電気impedanceを記録した。胸部を円錐台モデルとして平均電気抵抗率をρ=zo/L×(C_1^2+C_2^2+C_1×C_2)/12兀として求めた。50KHzではZoは肺動脈楔入圧と相関を認めなかったが、ρとはr=-0.56の相関をみた。また、各周波数のZo値は、1OKHzを最大値としてその前後で低下し、1KHzと300KHz以上では著しく低値を示した。肺水腫例ではどの周波数でもρは対照より有意に低値で、とくに10KHzで通常の50KHzより差は大であった。今後検討を続け、胸郭水分量あるいは水腫量の客観的評価を可能としたい。また、心拍出量の測定についても周波数の影響を検討する。50KHzの通常の方法では正中線上第2胸椎と心電図V8の位置に装着した同心円盤電極間で記録したimpedance変化の一次微分波の最大波高は胸部大動脈に挿入したカテ先流速計による血流速度とr=0.84の相関を認め、非観血的に大動脈血流を検出しうる結果をえている。また、impedance法は下肢の血流など局所血流の検出にも有用である成績をえている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Feng,S.;Okuda,N.;Fujinami,T.,et al.: Clin.Cardiol.11. 843-847 (1988)
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[Publications] Okuda N.;Fujinami,T.,et al.: Angiology.
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[Publications] 奥田宣明,藤浪隆夫 他: 第28回日本ME学会大会. (1989)