1988 Fiscal Year Annual Research Report
^<10>B-モノクローナル抗体によるヒト黒色腫細胞の熱中性子捕捉致死効果の解析
Project/Area Number |
63570469
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 助教授 (00030867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 豊 神戸大学, 医学部, 教授 (10073743)
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Keywords | 熱中性子捕捉療法 / 単クローン抗体 / ボロン-10 / 黒色腫 |
Research Abstract |
元素ボロン10(^<10>B)が熱中性子を吸収すると^<10>B(n,2)^7Li反応で高LET放射線が生じる。そのエネルギーで黒色腫細胞を選択的に殺傷する治療法を開発している。本療法の成否の1つは高濃度^<10>Bをいかなる方法で腫瘍細胞のみに選択的に集積させるかにかかっている。抗悪性黒色腫巣クローン抗体に^<10>Bを結合させる為、ビチオン化単クローン抗体を用いてin vitro熱中性子照射を行い以下の結果を得た。 I.結果 (1)ヒト黒色腫細胞にビオチン化抗体を結合させ、次いで^<10>B結合アビヂン(^<10>B-AV)を加え、反応後熱中性子(TN)を照射すると、TN照射のみの照射に比べ、有意に高い致死効果をコロニー法で得た。 (2)ビオチン化単クローン抗体と^<10>B-ATを反応させた後、ヒト黒色腫とインクベートし、熱中性子照射後(1)と同様にコロニー法で致死効果をみたところ(1)よりも高い致死を得た。 (3)ヒト黒色腫の抗原性の多様性を解決するため新しい抗ヒト黒色腫単クローン抗体と数種のヒト黒色腫細胞間で抗体結合性をFACSで検討したところ、親和性の高いものが数種得られた。 II.今後の研究展開 実際にヒト黒色腫を治療する際の手順はI-(2)の方法であるが、今回高い致死効果を得たことは^<10>B-単クローン抗体法の応用実施へ一歩近づけたと考えられる。また、I-(1)より黒色腫の抗原に対する抗体を用意することにより、目的とする10^9個^<10>B元素/細胞を得る事が可能と考えられる。熱中性子照射の致死効果をコロニー法で測定するため、コロニー形成の良いヒト黒色腫株を樹立し応用する。 また、1個の癌細胞当りの^<10>B結合数を明らかにするためアイソトープラベル法で解析する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 市橋正光: 神緑会学術誌. 4. 86-96 (1988)
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[Publications] Y.Mishima.: Pigment Cell Research. 1. 61-68 (1988)
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[Publications] H.Hukuda.: Pigment Cell Research.
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[Publications] M.Ichihashi.: Pigment Cell Research.
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[Publications] A.Komura.: Pigment Cell Research.
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[Publications] M.Ichihashi.: Strahlentherapie und Onkologie,3rd International Symposium on Neutron Capture Therapy 5/31-6/3/88 Bremen.