1989 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性リンパ腫におけるT細胞受容体(γ鎖)遺伝子再構成に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
63570476
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
竹崎 伸一郎 北里大学, 医学部, 講師 (40129250)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩渡 忠男 北里大学, 医学部, 講師 (70165455)
岩崎 雅 北里大学, 医学部, 助手 (50193727)
浅井 俊弥 北里大学, 医学部, 助手 (10175820)
|
Keywords | 皮膚悪性リンパ腫 / Tγ鎖 / 表皮樹枝状細胞 / in situ hybridzation |
Research Abstract |
昭和63年度からの2年間の本研究において、皮膚の悪性リンパ腫におけるT細胞受容体遺伝子再構成に関する分子生物学的研究をおこなった。4例の悪性リンパ腫(ATL1例を含む)のうち3例においてT細胞受容体β鎖cDNAを用いてDNAの再構成が認められ、T細胞由来の性格が明らかとなった。さらに1例においては免疫グロブリン産生遺伝子Jhの再構成が認められ、B細胞性リンパ腫であった。反応性リンパ節腫脹の1例では、Tβ、Jhとも陰性であった。 本研究の当初の目的としてT細胞受容体γ鎖遺伝子の再構成をも検討したいと考えていたが平成元年度に新しい臨床検体が得られず、現在の段階では未施行である。Tγは一般に幼若な分化段階のT細胞に表現されていると考えられており、成熟型の腫瘍細胞からなることの多い皮膚悪性リンパ腫における発現は可能性が少いとも想像されるが、腫瘍性T細胞と密接な関係にあるランゲルハンス細胞類似の表皮樹枝状細胞に発現していることがマウスで証明されており、今後症例を重ねて検討して行きたい。 さらにこれらのT細胞受容体遺伝子のin situ hybridizationも試みたが現段階では成功していない。組織切片においていかにノイズを減らし、シグナルを拾い上げるかが最も重要なポイントであり、よりよい標識法を選択することと同時に今後も検討を加えていく必要がある。
|
-
[Publications] 岩崎雅,他: "多彩な臨床と組織像を呈したリンフォマトイドパピュロ-シス" リンフォ-マ. 9. (1990)
-
[Publications] 岩崎雅,他: "皮膚小児Ki-1陽性リンパ腫" 日本皮膚科学会雑誌.