1988 Fiscal Year Annual Research Report
SSSSの発症に関与するプロテアーゼの精製ならびに性状
Project/Area Number |
63570481
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝内 石夫 昭和大学, 医学部, 助教授 (90102342)
|
Keywords | Exfoliative toxin(ET) / SSSS / proteinase / purification |
Research Abstract |
Exfoliative toxin(ET)とnewborn mouseの表皮を37℃にて反応させると、反応溶液中に8時間後位よりcaseinolytic activityが生じ始め、約10時間以降活性の産生はプラトーになる。 生後2日目までのマウスの表皮とETを反応させ、反応溶液中に生じたcasein-hydrolyzing enzymeをまず、Sephadex G-50によりゲル濾過するとelution volumeが200ml〜280mlくらいに活性が流出する。この分画を、限外濾過(Amicon YM5膜)により濃縮し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるイオン交換を行うと、約0.22Mの塩濃度にて活性が溶出する。この分画を再び濃縮し、HPLCによるゲル濾過を行うと、12.3秒、13.6秒の分画に280nmでの吸光度のピークが認められ、後ろの分画にほぼ一致して活性が測定された。HPLCにより測定したこの分画の分子量は8,800と算出された。しかしながら、蛋白量が極めて微量であり、いまだにSDS電気泳動によるバンドは、染色されていない。また、精製された分画を用いて測定した生化学的性状は、至適温度・40℃、至適イオン強度・0.2M NaCl-28mM phosphate bufferであり、至適pHは、7.8であった。 Proteinaseの性質としては、EDTA、EGTAの添加により完全に失活するが、PMSF、NEMに影響を受けないことから、serine proteinaseやcysteine proteinaseとは考えられず、metallo proteinaseであろうと思われた。しかしながら、EGTAの添加後、充分量のカルシウムを加えても、活性が戻らないことから、本蛋白分解酵素が、metallo-proteinaseであると断言することはできなかった。 本蛋白分解酵素のkineticsを測定するため、BANA、BAPNA等種々の合成基質を用いて反応させたところ、metallo-proteinaseであるcollagenaseの基質として用いられる。PZ基質を溶解することが明らかとなり、現在これを用いてMichaelsその他のkineticsを測定している。
|