1989 Fiscal Year Annual Research Report
SSSSの発症に関与するプロテア-ゼの精製ならびに性状
Project/Area Number |
63570481
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝内 石夫 昭和大学, 医学部, 教授 (90102342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 輝代 昭和大学, 医学部, 助手 (10192204)
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Keywords | SSSS / Casein-hydrolyzing enzyme / Exfoliative Toxin / 表皮 |
Research Abstract |
アルカリ処理により得られたNewborn mouseの表皮と、黄色ブドウ球菌の産生するExfoliative Toxin(ET)を一晩反応させると、反応液中に著明なCaseinolytic activityが生じる。これ最初にSephadex G-50にてゲル濾過し、限外濾過により濃縮し、DEAE-5-PWさらにTSKSP-5-PWのZ2の高速液液体クロマトグラフィ-を施すことにより、2つのピ-クまで精製した。精製されたCasein-hydrolyzind enzymeは、EDTAにより阻害されることが証明されたため、金属プロテア-ゼである可能性が高いが、Ca,Znイオンを添加しても、阻害された活性が賦活化されないため、金属酵素であると決定することはできなかった。 粗精製されたCasein-hydrolyzing enzymeをNewborn miceに注射するとSSSSの臨床症状と同じ広範囲なNicolsky signが認められた。しかしながら、この精製された分画に、当初に表皮と反応させるため添加したETが混入している可能性が否定できないため、まず、表皮と反応させる時に使用した量と同じ量のETのみを、caseinhydrolyzing enzymeの分離精製に用いたものと同じ条件で同じcolumn chromatographyを施し、同じ分画を採取し、ネズミに注射した所、Nicolsky signが生じなかったので、残存するETによってNicolsky signが生じた可能性は、少ないと思われた。しかし一方、精製された試料に抗ET家兎IgGを反応させたのちに、Newborn miceに注射すると、Nicolsky signの形成が阻害されてしまうため、前述の残存するETによりNicolsky singが生じるという可能性がどうしても否定できなかった。 又、本年度の最大の目的である、ETによりin duceされるCasein-hydrolyzing enzymeに対するモノクロナ-ル抗体の作成は、数度における、免疫にもかかわらず、現在の所作成されていない。
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[Publications] Kumiko Suzuki,Teruyo Teramoto,Iwao Takiuchi: "Partial purification and some characteristics of proteinase(S)induced by Staphylococcal exfoliative toxin" The Journal of Dermatology. 16. 289-295 (1989)