1990 Fiscal Year Annual Research Report
SSSSの発症に関与するプロテア-ゼの精製ならびに性状
Project/Area Number |
63570481
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝内 石夫 昭和大学, 医学部, 教授 (90102342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 秀義 昭和大学, 医学部, 助手 (20221690)
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Keywords | exfoliative toxin(ET) / 黄色ブドウ球菌 / newborn mouse / SSSS |
Research Abstract |
今年度の実験目的は、黄色ブドウ球菌が産生するexfoliative toxinと、newborn miceの表皮を反応させることによりinduceされる蛋白分解酵素を分離し、これをもって家兎を免疫し、この抗血清を用いる酵素抗体法にて、newborn mouseの表皮中における蛋白分解酵素の局在を検索することであった。 アルカリ処理により真皮より剥離した湿重量1〜2gのnewborn miceの表皮と、SSSS患者より分離したphage II群の黄色ブ菌より、近藤の方法により抽出したexfoliative toxinを12時間反応させた後、上清を限外瀘過(Amicon YM5menbrane)により濃縮し、この試料をSeーphadex Gー25によりゲル瀘過をおこない、ついで、高速液体クロマトゲラフィ-(HPLC)により分子ふるいをおこない、活性分画をさらに、HPLCによるイオン交換をおこなうことにより蛋白分解酵素を分離した。最終的な溶出パタ-ンはsingle peakであったが、精製試料のSDS電気泳動像は、シルバ-ステインにて3本のバンドが染色された。この試料をアジュバントと共に家兎の皮内に注射し、1ケ月後に追加免疫として筋注し、抗血清を作成した。しかしながら、得られた抗血清を二重免疫拡散法により検索したところ、二本の沈降線が認められた。この抗血清のIgG分画をprotein Aによりaffinity chromatograpgyにより分離し、粗抽出した蛋白分解酵素の活性との中和試験を施行したが、活性の阻害が認められなかった。 したがって、今年度中には、ETによりinduceされる蛋白分解酵素の抗血清が作成できず,酵素抗体法による局在の観察もできなかったため、今後も実験を進めていく予定です。
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