1988 Fiscal Year Annual Research Report
^<18>F-フルオロドーパによる脳疾患の病態解明-ポジトロンCTによる検討-
Project/Area Number |
63570493
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
一矢 有一 九州大学, 医学部, 講師 (00117425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 誠 九州大学, 医学部, 助手 (60203840)
桑原 康雄 九州大学, 医学部, 助手 (30150436)
三宅 義徳 九州大学, 医学部, 助手
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Keywords | ^<18>F-フルオロドーパ / ポジトロンCT / ドパミン代謝 / パーキンソン病 / ハンチントン病 / 錐体外路系運動障害 |
Research Abstract |
昭和63年度までの経過 1.^<18>F-フルオロドーパ合成装置を製作し、臨床利用が可能な量の収量を得ることができた。またこれにより作られた^<18>F-フルオロドーパがヒトへの投与が可能であることを確認した。 2.正常ボランティア4例において^<18>F-フルオロドーパとポジトロンCTによる脳ドパミン代謝測定を行ない、全例において特異的な線条体への高集積を認めた。 3.臨床例での検討:各種脳神経疾患患者11例において脳ドパミン代謝の測定を行ない、脳血流量および糖代謝量と対比検討した。ポーキンソン病では線条体のドパミン代謝のみが低下し、血流量および糖代謝の低下はみられなかった。またその程度は被殻において高度であり、尾状核では軽度であった。片側性パーキンソン病および片側性パーキンソン症候群では患側と反対側での低下が著明であった。ハンチントン病では線条体の血流量および糖代謝の低下にもかかわらずドパミン代謝は正常であった。進行性核上麻痺ではドパミン代謝、血流量および糖代謝のいずれも低下していた。パーキンソン症状のないアルツハイマー病では線条体ドパミン代謝の低下はみられなかった。このように脳ドパミン代謝の測定はパーキンソン病やハンチントン病などの錐体外路系運動障害の鑑別診断、重症度の判定、経過観察などに応用できる可能性が示された。 今後の研究目標 1.現時点では^<18>F-フルオロドーパ合成装置は一部手動の部分が残っており、それを全自動合成装置へと完成させる。 2.正常者においても年齢、性別による差異が予想され、この4例の結果では十分でなく、それらを考慮した正常データの検討を行なう。 3.臨床例のデータをかさねて、疾患別の詳細な検討を行う。
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Research Products
(1 results)