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1988 Fiscal Year Annual Research Report

間質と腫瘍細胞の相互作用による放射線治療効果の改善に関する研究

Research Project

Project/Area Number 63570497
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

伊東 久夫  慶応義塾大学, 医学部放射線医学教室, 専任講師 (20095574)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中村 佳代子  慶応義塾大学, 医学部放射線医学教室, 助手 (20124480)
Keywords腫瘍間質効果 / 自然肺転移 / 線維肉腫 / 前照射
Research Abstract

腫瘍の放射線感受性は、主に腫瘍のみが注目され、周囲の間質に対する研究はほとんど行われていなかった。しかし、腫瘍の発育、壊死、転移などに対して、血行が極めて重要な役割を持つと考えられることより、腫瘍細胞と共に周囲の間質との相互作用の重要性が痛感される。この課題に対する一つの研究手段として、腫瘍細胞の発育、転移に対して、周囲間質組織の修飾がどのように影響するかを検討した。
1.マウスの右大腿部腫瘍移植予定部位を、腫瘍移植前に30Gy照射しておくと、線維肉腫(FSa、NFSa)は、腫瘍の発育がFSaでは約2倍遅れるが、NFSaでは変化しない。一方、乳癌(MCa4)でも約2倍の遅れとなり、腫瘍により発育する間質の影響を受けるものと、受けないものがある。
2.照射後の腫瘍移植までの期間を1日〜8週間と変化させた場合、いずれも同様な腫瘍の発育遅延を示し、間質が照射により変化した場合は、その影響は長期間持続する。
3.前照射により発育遅延の認められた乳癌細胞と、影響を受けなかった線維肉腫NFSaに100Gyの致死線量を照射した細胞を混和して、30Gy前照射した部位に移植すると、乳癌の発育遅延は、混和しなかった場合の1/2に短縮された。これは、NFSa細胞より間質に対して血管増生促進因子が分泌されたためと考えられた。
4.前照射された部位に移植した腫瘍は、正常組織に移植した場合に比べて、同一腫瘍サイズにおける肺転移の頻度が高くなった。
5.腫瘍サイズが5mmに達したところで、腫瘍周囲間質にOK432 2.5KEを毎週注射すると、肺転移は有意に減少したが、腹腔内投与では効果がなかった。
以上のことより、腫瘍の増殖、転移には間質の状態が著しく影響することを確認し、次年度の研究に進む予定である。

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Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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