1990 Fiscal Year Annual Research Report
副賢不全時における低ナトリウム血症の原因解明の研究
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63570519
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 治 東北大学, 医学部, 助手 (00157744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸恒 和人 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10217515)
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Keywords | ヒト視床部室傍核 / corticotropinーreleasing horomone / arginine vasopressin / freeーfloating immunostaining / pituitaryーadrenal axis / calcitonin geneーrelated peptide / radioimmunoassay / high performance liguid chromatography |
Research Abstract |
我々は、ヒト視床下部室傍核の小型神経細胞にcorticotropinーreleasing harmone(CRH)とarginine vasopressin(AVP)が共存することを免疫組織化学的に明らかにした。今回、室傍核神経細胞からの神経走行を検討するために、ヒト視下部において、新らたに、浮遊法による免疫染色を行った。又、本研究に関連して、新らたに発見されたpeptideであるcalcitonin geneーrelated peptide(CGRP)の視床下部における存在と局在部位について検討した。 [方法,結果]1)剖検例の脳を10%ホルマリンにて固定後、視床下部をとり出し、ピクリン酸、グルタルアルデハイドを含む4%パラホルムアルデハイド溶液にて、48時間再固定した。0.01%デメチルスルフォキサイドを含む20%ショ糖溶液にて洗浄後、cryostatにて40μmのcoromal sectionを作製した。ABC法を用いた浮遊法によりCRHの免疫染色を行った。検討した7例全例において、室傍核小型神経細胞にCRHの存在が確認された。CRH陽性線維は、室傍核より側方へ弧を描く様にしながら下行し、下垂体茎の方向へ向う様子が観察された。2)CGRPについては、radioimmunoassayとHPLCによる検討から、ヒト視床下部に高濃度(2.1と7.0ng/g混重量)に存在することが明らかとなり、浮遊法による免疫染色からは、主に室傍核と視索上核に存在することが明らかとなった。 [考察]ヒト視床下部組織の浮遊法による免疫染色から得られた結果は、室傍核小型神経細胞にCRHと共存するAVPの下垂体一副賢系への関与を支持するものと考えられた。又、CGRPを始めとする、視床下部室傍核に局在する他の神経peptideの下垂体一副賢系への関与についての検討も重要と考えられる。
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[Publications] 高橋 和広,毛利 虎一,村上 治ら: "corticotropinーreleasing hormone in the human hypothalamus.Freeーfloating immunostaining method" Endocrinol.japon.36(2). 275-280 (1989)
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[Publications] 高橋 和広,毛利 虎一,村上 治ら: "Calcitonin geneーrelated peptide in the human hypothalamus." Endocrinol.japon.36(3). 409-415 (1989)
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[Publications] 大根田 実,毛利 虎一,村上 治ら: "ヒト脳におけるcerebellinの分布" 医学のあゆみ. 155. 197-198 (1990)
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[Publications] 毛利 虎一,村上ら: "Coーexistence of corticotropinーreleasing factor(CRF)and arginine vasopressin(AVP)in the paraventricular nucleus(PVN)of human hypothalamus." Neuroendcrinology.