1988 Fiscal Year Annual Research Report
免疫修飾剤 (BRM) によりI型糖尿病発症抑制の機序の解析
Project/Area Number |
63570520
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 譲 東北大学, 医学部附 属病院, 助手 (60125565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 茂樹 東北大学, 医学部 附属病院, 医員
安保 徹 東北大学, 医学部, 講師 (30005079)
豊田 隆謙 東北大学, 医学 部, 教授 (40003628)
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Keywords | NODマウス / OK-432 / I型糖尿病 / IDDM / 免疫療法 / TNF |
Research Abstract |
1.OK-432投与によるNODマウス糖尿病発症抑制の機序:雌N ODマウスは4週齢頃から膵島炎が始まり、膵B細胞が破壊されて13-15週齢頃 から糖尿病を発症するが、OK-432を4-15週齢に限って週1回の0.1mg 投与すると糖尿病発症は完全に抑制され、これ以降45週齢までの観察期間中発症し てこない。この抑制効果は発症前の若年期に投与するほど大きい。シクロホスファミ ド (CY) は抑制性Tリンパ球を傷害することによってNODマウスの糖尿病発症を 促進させるが、OK-432投与NODマウスに対してCYは発症促進効果を示さな い。発症NODマウスの脾細胞の移入によって850R照射した若いNODマウスに 糖尿病を移入できるが、OK-432投与マウス脾細胞にはこの能力がない。OK- 432投与マウスの脾細胞を若いNODマウスに移入すると、成長してからの糖尿病 の自然発症が部分的に抑制させる。これらのことから、OK-432は一部抑制細胞 を介して、脾B細胞を破壊する作用細胞の誘導を抑制することがわかった。しかし、 同様のOK-432投与は異種抗原に対する抗体産生や傷害性Tリンパ球の誘導を抑 制しなかった。 2.TNFαによるNODマウス糖尿病発症の抑制:5種のリコンビナントサイ トカインのうち、h-TNFαがNODマウスの糖尿病発症を抑制した。このマウス では、Tリンパ球の増加、ConA・LPS反応性の増強、膵島炎の抑制が見られた 。NODマウスはBalb/c、C3H/He、C57BL/6マウスと比較して、 OK-432刺激やIFNα+LPS刺激による内因性TNFの産生能が低かった。 以上のことから、NODマウスはTNFの低産生系であり、このことが自己免疫の発 動や進行に促進的に働き、外からのTNFの補充が抑制的に働いたものと考えられた 。さらに詳細な機序を解析中である。
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