1988 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモンの細胞内情報伝達におけるアラキドン酸カスケードの役割り
Project/Area Number |
63570522
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田村 泰 千葉大学, 医学部内科学第二講座, 講師 (90009671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 恵只 千葉大学, 医学部内科学第二講座, 助手 (00143280)
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Keywords | 副腎 / アラキドン酸 / 5リポキシゲナーゼ / P-450依存性エポキシゲナーゼ / サイクリックAMP / エイコサノイド / コレステロール側鎖切断酵素 |
Research Abstract |
1)ラット副腎皮質束状細胞にはアラキドン酸(AA)の5リポキシゲナーゼが存在し、その代謝産物である5HPETEは、ACTHの支配下にあり、cAMPと並んで細胞内情報伝達物質となりうる可能性があることは既に報告したが、5HPETEの作用機序の研究を更におしすすめた結果、以下の成績が得られた。1)cAMP依存性プロテインキナーゼ活性及びコレステロールエステラーゼ活性に5HPETEは影響を与えないこと。2)5HPETEは、コレステロールのミトコンドリアへの転送過程には関与しないこと。3)プレグネノロンよりコルチコステロンへの転換には5HPETEは影響しないこと。4)しかしコレステロールよりプレグネノロンへの転換性は5HPETEの存在が必要なこと5)5HPETEはミトコンドリアよりのCa^<++>の放出を促進すること等が判明した。以上の成績より5HPETEは、ミトコンドリアのコレステロール側鎖切断酵素に作用する可能性が考えられた。 2)牛副腎皮質束状細胞のミクロゾームには、P-450依存性エポキシゲナーゼが存在し、この酵素によるAAの代謝産物である種々のエポキサイド自体に、副腎皮質束状細胞よりのコーチゾール産生能があることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M,Nishimura.;A,Hirai.;Y,Tamura.;S,Yoshida: Prostaglandins.
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[Publications] K,Mikami.;Y,Tamura.;S,Yoshida.: Journal of Endocrinology. (1989)