1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570525
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小島 至 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (60143492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貴田岡 正史 公立昭和病院, 内分泌代謝科, 医長 (20153091)
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Keywords | インスリン様成長因子 / 細胞増殖 / カルシウム / ジアシルグリセロ-ル / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究は代表的な細胞増殖因子であるインスリン様成長因子(IGFーI)の作用機序を解明することを目的としている。本年度は特に以下に述べる2点に焦点をしぼって検討を行った。(1)IGFーIによる細胞内カルシウム濃度([Ca^<2+>]_c)の変化:IGFーIは増殖促進作用を示す条件下でCa^<2+>流入を増加させるが、その条件下で周期的な[Ca^<2+>]_cの上昇(オシレ-ション)をもたらす。IGFーIによるオシレ-ションは細胞外液Ca^<2+>濃度に完全に依存し、その頻度はIGFーIの濃度及び細胞外液Ca^<2+>濃度に依存している。IGF感受性陽イオンチャンネルはランダムに開閉をくり返しており、これによってオシレ-ションが起こるものと考えられる。(2)IGFーIによる細胞内ジアシルグリセロ-ル(DAG)の変化:IGFーIは増殖促進活性をもつ条件下において細胞内DAG代謝に変化を与えることが明らかとなった。DAGは【○!a】フォスファチジルイノシト-ルグリカンの加水分解、【○!b】フォスファチジルコリンの加水分解、【○!c】denovoの合成の少なくとも3つの経路を活性化することによって持続的なDAG増加をもたらす。こうしてIGFーIによってDAGとCa^<2+>流入の両者が持続的に増加することが初めて明らかにされた。今後はこのIGFーI作用にCキナ-ゼが関与するのかどうか、また他のCa^<2+>依存性の反応が関与しているかどうかなどについて検討していきたいと考えている。この目的のため現在リン酸化について検討を行っているところである。
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[Publications] Kojima,I.,Kitaoka,M.and Ogata,E.: "Studies on the Cellーcycle Dependency of the Actions of Insulinーlike Growth FactorーI in Balb/c 3T3 Cells." J.Cell.Physiol.143. 529-533 (1990)
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[Publications] Kojima,I.,Kitaoka,M.and Ogata,E.: "Insulinーlike Growth FactorーI Stimulates Production of Diacylglycerol in Balb/c 3T3 Cells." J.Biol.Chem.265. 16846-16850 (1990)