1988 Fiscal Year Annual Research Report
異常インスリン血症におけるインスリンの合成・分泌・代謝に関する研究
Project/Area Number |
63570541
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岩本 安彦 自治医科大学, 医学部, 講師 (60143434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宗弥 自治医科大学, 医学部, 助手 (30163009)
粟田 卓也 自治医科大学, 医学部, 助手 (40184303)
葛谷 健 自治医科大学, 医学部, 教授 (80048959)
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Keywords | 異常インスリン血症 / インスリン遺伝子 / インスリンの尿中排泄 |
Research Abstract |
1.インスリン遺伝子5′上流側の塩基配列の決定 日本でこれまでに発見、報告された異常インスリン血症の3家系は、A鎖3位のバリンをコードするDNAの点変異(GTG→TTG)に基づく[Leu^<A3>]インスリンを有することがわかっている。日本における異常インスリンの起源について検討するために、我々の発見した第3家系の症例の末梢血白血球より得たDNAの制限酵素P_<VU>II切断フラグメントのSouthern法により分析を行い、異常インスリン血症では約850塩基対のフラグメントが検出された。これは、和歌山医大の2家系の同様の分析結果とは異なっていた。そこで、患者由来の正常および異常インスリン遺伝子の5′上流部分をサブクローニングしたのち、ダイデオキシ法により全塩基配列を決定した。その結果、正常および異常インスリン遺伝子の5′上流側はそれぞれ30個、42個のオリゴヌクレオチドの配列から成ることが判明し、学会抄録による和歌山医大の2家系とは異なるものであった。以上のことより、我々の報告した異常インスリン血症は、和歌山医大の2家系とは異なる起源を有するか、または、同一の起源を有するが、その後、5′上流側の組換えを生じた可能性が示唆された。 2.ラット単離腎灌流系における[Leu^<A3>]インスリンの動態 ラット単離腎灌流系を用い、今年度は正常ヒトインスリンの尿中排泄に関する基礎的データを得た。 3.異常インスリン血症発端者の生検膵の免疫細胞学的検討 [Leu^<A3>]インスリンと正常ヒトインスリンを識別しうる可能性のあるモノクローナル抗体を用いて、患者生検膵の免疫細胞学的検討を試みたが、膵B細胞間の明らかな免疫細胞学的差異は見出されなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岩本安彦: 糖尿病学1988. 25-53 (1988)
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[Publications] Awata,T.: Diabetes. 37. 1068-1070 (1988)
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[Publications] Awata,T.: Diabetes Research and Clinical Practice.