1989 Fiscal Year Annual Research Report
中性脂肪型エイコサペンタエン酸の点滴静注による実験的血栓症の治療
Project/Area Number |
63570568
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
浜崎 智仁 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (70167592)
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Keywords | エイコサペンタエン酸 / アラキドン酸カスケ-ド / ロイコトリエンB / 静注 / エマルジョン |
Research Abstract |
純度90%以上のエイコサペンタエン酸(EPA、トリグリ型)の10%エマルジョンを5羽の3〜3.5kgのラビットへ30ml静注し、静注前、静注後、静注6、24、168時間後に採血し、多形核白血球を分離した。この白血球をカルシウムイオノフォアで刺激し、ロイコトリエン(LT)B_4およびLTB_5を産生させ、高速液体クロマイトグラフィ-にて定量した。なお、コントロ-ル実験として、EPAエマルジョンの代わりに市販の大豆油を原料とした10%エマルジョンを5羽のラビットに静注した。 平均LTB_4産生量はEPAの静注6、24、168時間後に前値のそれぞれ60%、72%、86%となり、6時間後には有意に低下していた。一方LTB_5の産生は、前値では測定限界以下であったが、6時間後にはLTB_4と同等量に産生され、以後低下した。また、大豆油を30ml静注したコントロ-ルラビットでは、投与後もLTB_4の産生量は全く変化せず、LTB_5は実験期間中検出されなかった。 次に静注後、もっと早くEPAの効果が出現する可能性もあるため、上記の実験を繰り返した。ただし、採血時間は静注の前、1、6時間後とした。結果は投与1時間後にはLTB_4産生は前値の77%で、6時間後には42%(p<0.05)となり、やはり六時間後にLTB_4の産生が最低となった。同時に行ったコントロ-ル実験(大豆油を使用)ではLTB_4の産生は変化せず、LTB_5は検出されなかった。
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