1989 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞融合法により作製したサプレッサ-リンフォカインによる免疫学的寛容の誘導の試み
Project/Area Number |
63570590
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
里見 進 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (00154120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 実 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50167847)
岡本 道孝 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80194405)
三浦 俊治 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50209714)
平山 克 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20181191)
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Keywords | T細胞融合法 / サプレッサ-ファクタ-(TsF) / CTL反応 / MLC反応 / インタ-ロイキン2(IL-2) / IL-2受容体 / IL-2依存性細胞(CTLL) / TsF産生細胞 |
Research Abstract |
マウスの系において、T細胞融合法を用いてAntigen非特異的なサプレッサ-ファクタ-(TsF)を分泌する細胞株を分離し、その性格を調べた。in vitroにおける性格は昭和63年度の報告で述べたごとく、T細胞特異的にCTL反応、MLC反応を抑制し、その作用機序はインタ-ロイキン2(IL-2)と競合的に作用する事によると予想されていた。平成元年度の研究により、本TsFはIL-2受容体を有するIL-2依存性細胞(CTLL)に吸着され、その抑制効果が減弱することから、IL-2と競合しIL-2受容体を占居する可能性が更に強まった。又、TsFを作用せても,T細胞や、CTLL表面のIL-2受容体の出現頻度には差の無いことを認めた。TsFの分子量は、セファデックスカラム法により、約2万〜4万の分子量の部位に抑制活性を認めた。他種の細胞(ラットT細胞、ヒトT細胞)への抑制効果について検討したが、CTL反応、MLC反応等の抑制効果は認められず、マウス特異的であり、本TsFをそのままヒトに応用する事は不可能と判明した。in vivoの系においては、約10倍に濃縮したTsFを用いた。マウスの同種ラ氏島移植において、移植後連日7日間の投与により、生着延長効果を認めたが、ALS投与により認められる効果程強くなかった。皮膚移植においても同様であった。ヒトの系においても融合細胞を作製したが、マウスの系に比べて効果的なTsF産生細胞を得られなかった。現在、細胞融合法をより効率に行うべく、レ-ザ-を用いた融合法を研究中であるが、300個に1個の割で融合する細胞を得られる様になってきた。今後はこの方法によりヒトのT細胞融合を行い、ヒトTsFの作製をめざす予定である。
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