1988 Fiscal Year Annual Research Report
移植臓器生着メカニズムに及ぼす移植片主要組織適合抗原の細胞膜上表現の消長の影響
Project/Area Number |
63570592
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 暢夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80012748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 とも 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90092379)
別宮 好文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70199454)
三田 勲司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30190672)
|
Keywords | 臓器移植 / 生着メカニズム / 主要組織適合抗原 |
Research Abstract |
臓器移植における長期生着のメカニズムに関する研究は、従来レシピエントの免疫応答能の変化を検討するものに限られた。本研究ではこれまで関心の向けられなかった移植片細胞表面の抗原性の変化に着目し、免疫抑制剤の長期投与下における組織適合抗原表現の消長と生着メカニズムの関連を追究することを目的とする。 63年度の研究計画のうちラットに一定期間免疫抑制剤を投与したのち屠殺し、心、肝、腎など移植の対象となる臓器における細胞表面のCLASSI抗原、CLASSII抗原の表現について検討したものについては、モノクローナル抗体を用いたABC法による免疫化学的検討によって組織適合抗原の表現が減弱することを認めたが,非特異的な免疫染色のバックグラウンドとの間に明確な差を見いだしえなかった。しかしながら、組織適合抗原を強く表現する屠殺例は認めなかった。 ラットにおける移植実験では拒絶反応の発現後に,本来発現しているCLASSI抗原の発現が著明になること、腎尿細管等本来CLASSII抗原を発現していない細胞表面に、明らかな異所生の抗原の発現がみられることが確認された。しかしながら実験開始後の時間が短く、一旦拒絶反応が消褪したのち長く生着した実験動物をうるには至らず、長時間の経過で細胞表面の本来の抗原の発現か低下する、また一旦異所性に発現したCLASSII抗原が再び消失するかについては確かめうるに至っていない。また、イヌ肝移植実験において生検標本を集積しつつあるが、未だ例数が少なく結果を判定するには至っていない。 本年度は本研究の目的に叶う実験手技を確立しえたので、明年度における成果に期待しうる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 秋山暢夫: OPE NURSING. 3. 1368-1372 (1988)
-
[Publications] 杉本久之,秋山暢夫: 臨床科学. 24. 46-51 (1988)
-
[Publications] 秋山暢夫: 日本医事新報. NO.3331. 43-49 (1988)
-
[Publications] 枝国節雄,秋山暢夫: 移植. 23. 301-307 (1988)
-
[Publications] 秋山暢夫: 日本医事新報社. NO.3382. 25-31 (1989)
-
[Publications] 秋山暢夫: "プリンシパル臨床免疫改訂3版" 日本医事新報, 1-277 (1989)