1989 Fiscal Year Annual Research Report
門脈腫瘍栓除去に関する実験的検討-腫瘍塊の転移着床及び門脈の血栓形成性について-
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63570595
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊田 馨 京都大学, 医学部, 講師 (00025602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉橋 和義 京都大学, 放射性同位元素総合センター(薬理学), 助教授 (10025653)
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Keywords | ヘパリン / ラット腹水肝癌細胞 / 培養内皮細胞 / PGI_2 / 肝癌 / 門脈本幹腫瘍栓 / 腫瘍栓除去 |
Research Abstract |
ヒト臍帯静脈より分離した初代培養内皮細胞を用い腫瘍細胞の付着に対するヘパリンの抑制作用について、前年度の研究を継続した。腫瘍細胞はラット腹水肝癌細胞のうちヘパリンによる抑制の明らかなAH74FLを使用した。同様の抑制作用を外因性PGI_2に期待し2種類のPGI_2のanalogを投与したが、いづれも付着細胞数に変化をみとめなかった。また内皮細胞のPGI_2産生をAsscherman法を用いた6-keto-PGF_<12>測定によって検討したが、各種抗癌剤の添加によって増加し、10U/ml以上のヘパリン濃度ではむしろ抑制されることをみとめた。以上の実験結果より、1)ヘパリンはある種の癌細胞の内皮細胞への付着を抑制することによって転移形成に対して抑制的に働く可能性があることが示唆されるが、2)ヘパリンによる6-keto-PGF_<12>は産生低下は、抗癌剤添加による逆の結果が抗癌剤の内皮障害を反映するものとかんがえると、ヘパリンの内皮細胞に対する保護作用を推定させるものである。 この実験結果に支えられて、以下のような臨床上の成果が得られた。即ち、門脈本幹腫瘍栓を合併した進行肝癌に対し主病巣を含む肝切除に加えて門脈本幹腫瘍栓除去を併施する術式を考案したが、この術式の延命効果は著明である。この術式の致命的な溢路のひとつは術後門脈血栓症であるが、ヘパリンの門脈内投与により解消した。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 熊田馨: "原発性肝癌に対する肝左葉切除" 手術. 42. 1307-1313 (1988)
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[Publications] 熊田馨: "肝機能低下を門脈内ヘパリン投与" 腎臓. 11. 68-72 (1988)
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[Publications] Fujii,K: "physiological effects of portal ligation on the longitudinal and circular muscles of the dog portal tree." Blood Vessels. 25. 240-249 (1988)
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[Publications] 森敬一郎: "肝癌の外科治療:高令者肝癌に対する肝切除成績と周手術期管理について" 老年医学. 27(11). 1626-1630 (1989)
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[Publications] 福井潔: "腹水肝癌細胞の増殖と内皮細胞付着に対するヘパリンの影響" 腎臓. 12. 69-71 (1989)
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[Publications] 小澤和恵: "肝細胞がん切除症例の遠隔成績" 病態生理. 8. 386-390 (1989)
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[Publications] 熊田馨: "膵頭十二指腸切除における門脈臍部上腸間膜静脈バイパスの応用" 手術. 43. 255-260 (1989)
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[Publications] Kumada,K: "Closure of partosystemic shuilt." J Gastroenterol Hepatol.4(Suppl 1). 239-241 (1989)
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[Publications] Kumada,K: "Truncoumbilical bypass of the portal vein in radical resection of biliary cancer involving the hepatic duct confluence." Brit J Surg.
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[Publications] Kumada,K: "Hepatic resection for advanced hepatocellular carcinoma with removal of portal vein tumor thrombi." Surg.
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[Publications] Ozawa,K: "Experience with 225 hepatic resections for hepatocellular carcinoma during the past four years." Am J Surg.
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[Publications] 小澤和恵: "肝細胞癌、疫学、発癌診断、治療" 冨士書院, 12 (1989)
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[Publications] 熊田馨、本田和男: "肝臓の手術" へるす出版, (1990)