1988 Fiscal Year Annual Research Report
簡便性と安全性の向上を目的とした生物学的肝補助装置の改良
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63570596
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶌原 康行 京都大学, 医学部, 助手 (30196498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 敬一郎 京都大学, 医学部, 助手 (80159186)
小澤 和恵 京都大学, 医学部, 教授 (00026858)
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Keywords | 人工肝 / 肝灌流 / 肝ミトコンドリア / 血中ケトン体比 |
Research Abstract |
摘出灌流肝のUiabilityの向上および長時間保持を計る目的で、1)プロスタサイクリン誘導体(OP41483)の持続注入を行ない、非投与群との比較を行なった。また2)灌流に用いるポンプを従来のローラー式のものと、遠心型ポンプを比較した。判定は、肝ミトコンドリアの酸化還元状態を反映する血中ケトン体比の変動を主とし、その他生化学的検査により行なった。 1)OP41483使用群は、血中ケトン体比が灌流開始1時間後には1.0以上に上昇し8時間まで1.0〜3.0の高いレベルに保たれた。対照群では、1時間まではほぼ同様のレベルであったが、その後1.0以上には上昇し得ず5時間を越えると低下傾向を示した。灌流液中の乳酸は、OP群では3時間でほぼ正常域に入ったのに対し、対照群ではその低下の度合も少なく、緩徐であった。OP41483は、肝細胞保護作用をもつことが示唆され、肝ミトコンドリアレベルでそれが明らかとなり臨床での人工肝への応用が期待される。 2)遠心型ポンプは大流量を血管抵抗を上昇させず送り出すことが出来、従来のローラーポンプでは0.5ml/g肝重量以上では灌流圧が上昇したのに対し、1.0ml/gでも8時間は全く圧の上昇を認めずさらに長時間の応用可能性が示された。血中ケトン体比のレベルは3以上を6時間持続した。ローラーポンプは脈流であり、遠心型ポンプは定常流で門脈の流れにより近いものと思われる。人工肝の効率向上の為に遠心型ポンプの有用性が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Michio Kimoto;et al.: Artificial Organs. (1989)
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[Publications] 木元道雄 他: 外科診療. 3. 394-399 (1989)
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[Publications] 山岡義生: 消化器科. 10. 183-187 (1989)
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[Publications] 嶌原康行: JJPEN. 11. 145-149 (1989)