1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63570615
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
小川 豊 関西医科大学, 医学部, 教授 (70026912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 秀明 関西医科大学, 医学部, 助手 (10227689)
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Keywords | 線維芽細胞 / ケロイド / 女性ホルモン / エストラジオ-ル / 男性ホルモン / 遊走性 |
Research Abstract |
ヒト正常真皮とケロイドからそれぞれ採取した線維芽細胞を培養し、chemical mediatorとして性ホルモンを検討した。陰性対照に対してはケロイドと正常皮膚間に遊走性の有意差は認められなかったが、エストラジオ-ルではケロイド由来の線維芽細胞に有意な遊走性がみられた。一方テストステロンに対しては正常真皮由来の線維芽細胞に有意な遊走性の差が認められた。 一般に真性ケロイドは性別差に於て有意に女性に多く、しかも思春期以降の成熟女性に好発する。前年度の研究でケロイドが毛裏性疾患と深くかかわっていることが推論され、毛裏角化症などの病変およびその体値を持つ個体が女性ホルモンによってその活動を刺激される結果ケロイドが形成されるものとの推論が可能と思われる。 テストステロンに対する正常真皮由来の線維芽細胞が有意に反応したことは、ケロイドと正常真皮とのそれぞれの線維芽細胞間に性ホルモンに対する反応の違いを示して興味深いが、その臨床的な意味づけはまだ分らない。女性ホルモンとケロイドという関連は極めて興味深いものと考えられる。
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[Publications] 小川 豊: "ケロイドの遊走性に関する女性ホルモンの影響" 日本形成外科学会会誌.
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[Publications] 小川 豊,土井 秀明: "ケロイドおよび正常皮膚より得た培養ヒト線維芽細胞の遊走性" 形成外科.
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[Publications] Doi.H.and Ogawa Y.: "Influence of sexual hormon on the chemotaxis of fibroblasten from keloid" Brit J.Plast Surg.