1990 Fiscal Year Annual Research Report
生体内ポリアミンの消化管運動抑制作用と嘔吐機構への関与に関する研究
Project/Area Number |
63570617
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
羽田 隆吉 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50125457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 総一郎 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
三上 勝也 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | polyamine / spermine / calcium blocker |
Research Abstract |
Spermineの腸管収縮抑制作用に関する研究 SpragueーDawley ratの回腸片(3×20mm)を作製,Ca濃度1.25mMのphysiologic salt solution内で収縮させ,SpermineとLidocaineならびにVerapamilの収縮運動抑制作用を比較した。前者はアミンとしての構造類似性から,後者は既知のCaーchannel blockerとして比較対称に選んだ。 1)Spermineは回腸片の律動収縮中を3×10^<ー4>M濃度で約50%減少させたが,収縮の頻度,波形には全く影響を及ぼさなかった。 2)Lidocaineは律動波収縮振幅を8×10^<ー5>〜1×10^<ー4>M濃度で約50%に減少させたが,Spermine同様に収縮頻度,波形を変化させなかった。 3)Verapamilは8×10^<ー9>Mの低濃度で律動収縮振幅を50%以上減少させた。しかしSpermineやLidocaineと異なり収縮の頻度は減少し,また個々の収縮の持続時間が著しく延長した。 以上の結果から以下の検討が必要と考えられた。 1)Spermineは腸管抑制作用の様式が Lidocaineに似ていた。Spermineはわれわれの研究によればtentativeなCa拮抗物質であり,その腸管収縮作用はTTXで抑制されなかった。ところがVerapamilではなくNaーchannel blockerであるLidocaineと似た腸管収縮抑制作用がみられるのはなぜか。 2)Spermineを制酸剤として用いる可能性(Nandi,1982)をわれわれは否定してきた(Hada,1984,1985,1986,1987,1988)が,生体内に存在するこの物質の腸管運動調節剤としての応用はないか。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ryukichi Hada: "Spermine fails to inhibit gastric secretion in histamineーstimulated pylorusーligated rats." The Hirosaki Medical Journal. 40. 590-594 (1988)
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[Publications] Ryukichi Hada: "Inhibitory effect of spermine on the contraction of rat small intestine" The Hirosaki Medical Journal.
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[Publications] Ryukichi Hada: "Spermine induces vomiting in the dog" Digestive Disease and Science.