1988 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍に対する光化学反応による診断と治療に関する研究
Project/Area Number |
63570621
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高瀬 靖広 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (50075339)
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Keywords | 光感受性物質 / eosin yellow / photoradiation diagnosis |
Research Abstract |
悪性腫瘍に停滞性を有する光感受性物質を投与し、レーザー光線による励起光線を照射することによって悪性腫瘍の診断および治療を行なう医療技術の臨床応用を試みた。光感受性物質としては、低毒性物質であるeosin yellow(eosin Y)を用い、レーザー光線としてはアルゴンレーザー光(波長514.5nm)を使用する方式で、食道癌および胃癌に対する転移リンパ節の判定、および腫瘍摘出後の腫瘍残存の有無を、術中肉眼的に判定する方法として応用した。Eosin Yの投与量は10mg/kgとし、手術48時間前に点滴静注した。レーザー光線の出力は400mWとして術中摘出された標本に照射した。その結果、食道癌21例について、癌転移リンパ節42個中41個(97.6%)に蛍光がみられ、非転移リンパ節61個中60個(98.4%)に蛍光がみられなかった。また、癌巣には全例に蛍光がみられたが、外膜および脂肪組織には全例蛍光が認められなかった。以上の結果から、食道癌に対するphotoradiation diagnosisは有用であると思われた。また、胃癌症例に対するphtoradiation diagnosisは、同様の方式にて試みたが、レーザー光線出力を400mWから800mWの範囲で可変とする方法にて施行した。その結果、分化型胃癌5例について、癌転移リンパ節4個と非転移リンパ節10個ともに蛍光がみられなかった。一方、末分化型胃癌13例について、癌転移リンパ節18個中18個(100%)に蛍光がみられ、非転移リンパ節24個中24個(100%)に蛍光がみられなかった。以上の結果から、分化型胃癌に対するphotoradiation diagnosisは施行不能と思われたが、末分化型胃癌に対するphotoradiation diagnosisは臨床応用可能と思われた。また、eosin Yを用いるphotoradiation therapyについては基礎的実験において可能であることが判明したので、現在、臨床応用の具体的検討に入っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Susumu, Shibuya: The journal of Japan Society for Laser Medicine. 7. 55-56 (1987)
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[Publications] Yasuhiro, Takase: Japanese Journal of Surgery. 18. 415-418 (1988)
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[Publications] Susumu, Shibuya: Diseases of the Esophagus.
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[Publications] 高瀬靖広: "医科大辞典 補遺巻6" 講談社, 75-77 (1988)