1988 Fiscal Year Annual Research Report
肛門括約不全に対する腸管平滑筋反転移植の意義に関する実験的研究
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63570653
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| Research Institution | Kanazawa Medical University |
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Principal Investigator |
南部 澄 金沢医科大学, 小児外科, 助手 (90180554)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊川 広道 金沢医科大学, 小児外科, 講師 (20124935)
小沼 邦男 金沢医科大学, 小児外科, 助手 (10178296)
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| Keywords | 肛門括約筋不全 / 腸管平滑筋翻転移植 / 肛門括約筋々電図 / 直腸肛門内圧測定 / 膀胱尿道内圧測定 / 直腸平滑筋々電図 |
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| Research Abstract |
正常犬(n=10)の1日排便回数は平均2.1回であるのに対し、内肛門括約筋切開犬(n=5)では、排便回数が有意に増加し、小量頻回排便となった。内肛門括約筋切除後、腸管平滑筋を翻転移植した内肛門括約筋形成犬(n=5)では通常犬に比べて1回排便回数は増加しているものの大量排便回数には差がなく、切除犬に比べて良好な排便状態を示した。直腸周囲剥離犬では、術後早期には少量頻回排便を呈したが、術後24週では正常犬とほぼ同じ排便状態となった。注腸造影検査所見上、内肛門括約筋切除犬全例にバリウムの漏れが出現したのに対し、内肛門括約筋形成犬では、術後12週の時点で80%バリウムの漏れが認められたが、24週以降全く消失した。直腸肛門内圧所見;内肛門括約筋切除犬では、術後著明に減少していた肛門管静止圧は、8週以降徐々に上昇し12週以降では正常犬(56cmH_2O)に比して約44%の静止圧を示した。これに対して内括約筋形成犬では術直後から平均52cmH_2Oに上昇した。直腸肛門反射は、内肛門括約筋切除犬では全例陰性であった。内肛門括約筋形成犬に於ても定型的な反射波型は得られなかったものの全径に肛門管内圧の下降現象が得られた。直腸周囲剥離犬では、24週の時点で定型的な直腸肛門反射が認められた。筋電図所見;正常犬の内肛門括約筋からは約50〜250μVのwaxing ＆ waningを示すslow spikeが得られ、直腸伸展刺激時にはこのspikeは完全に抑制された。これに対して内肛門括約筋形成犬から得られた筋電図波型はslow spikeではなく低振幅のspike burstを伴う大腸平滑筋であり、直腸伸展刺激に対応したspike burstの抑制は約半数で認められたにすぎなかった。膀胱内圧所見;内肛門括約筋切除犬、内括約筋形成犬では正常型を示したのに対して、直腸周囲剥離犬では自律性型を示す例もあるが大部分は正常型を示し、直腸周囲神経叢の破壊が未だ不十分であると推察された。
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